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  1. 京都府議会 2000-11-17
    平成12年決算特別委員会 総括質疑  本文 開催日: 2000-11-17


    取得元: 京都府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成12年決算特別委員会 総括質疑  本文 2000-11-17 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 67 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯大野委員長 選択 2 :  ◯大野委員長 選択 3 :  ◯荒巻知事 選択 4 :  ◯大野委員長 選択 5 :  ◯高屋委員 選択 6 :  ◯大野委員長 選択 7 :  ◯荒巻知事 選択 8 :  ◯大野委員長 選択 9 :  ◯高屋委員 選択 10 :  ◯大野委員長 選択 11 :  ◯村田委員 選択 12 :  ◯大野委員長 選択 13 :  ◯荒巻知事 選択 14 :  ◯大野委員長 選択 15 :  ◯村田委員 選択 16 :  ◯大野委員長 選択 17 :  ◯近藤委員 選択 18 :  ◯大野委員長 選択 19 :  ◯荒巻知事 選択 20 :  ◯大野委員長 選択 21 :  ◯武田教育長 選択 22 :  ◯大野委員長 選択 23 :  ◯近藤委員 選択 24 :  ◯大野委員長 選択 25 :  ◯光永委員 選択 26 :  ◯大野委員長 選択 27 :  ◯荒巻知事 選択 28 :  ◯大野委員長 選択 29 :  ◯光永委員 選択 30 :  ◯大野委員長 選択 31 :  ◯荒巻知事 選択 32 :  ◯大野委員長 選択 33 :  ◯光永委員 選択 34 :  ◯大野委員長 選択 35 :  ◯新井委員 選択 36 :  ◯大野委員長 選択 37 :  ◯荒巻知事 選択 38 :  ◯大野委員長 選択 39 :  ◯新井委員 選択 40 :  ◯大野委員長 選択 41 :  ◯荒巻知事 選択 42 :  ◯大野委員長 選択 43 :  ◯新井委員 選択 44 :  ◯大野委員長 選択 45 :  ◯荒巻知事 選択 46 :  ◯大野委員長 選択 47 :  ◯新井委員 選択 48 :  ◯大野委員長 選択 49 :  ◯大野委員長 選択 50 :  ◯北岡委員 選択 51 :  ◯大野委員長 選択 52 :  ◯荒巻知事 選択 53 :  ◯大野委員長 選択 54 :  ◯北岡委員 選択 55 :  ◯大野委員長 選択 56 :  ◯坂根委員 選択 57 :  ◯大野委員長 選択 58 :  ◯荒巻知事 選択 59 :  ◯大野委員長 選択 60 :  ◯坂根委員 選択 61 :  ◯大野委員長 選択 62 :  ◯稲荷副委員長 選択 63 :  ◯大野委員長 選択 64 :  ◯荒巻知事 選択 65 :  ◯大野委員長 選択 66 :  ◯稲荷副委員長 選択 67 :  ◯大野委員長 ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1:    午後1時00分 開会 ◯大野委員長 ただいまから決算特別委員会を開会し、総括質疑を行います。        ───────────────────────── 2: ◯大野委員長 質疑に入るに先立ち、荒巻知事から発言の申し出がありますので、これを許可いたします。荒巻知事。 3: ◯荒巻知事 決算特別委員会総括質疑の御審議をいただくに当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。  平成11年度決算の認定につきましては、さきの9月定例府議会に提案させていただき、御審議をお願い申し上げましたところ、早速に決算特別委員会を設置していただき、去る11月1日以来本日まで、正副委員長、幹事各位を初め、委員の皆様方におかれましては何かと御多用のところ、連日にわたり熱心に御審議を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。  審査の中で御指摘、御要望いただきました事項につきましては、今後の府政の運営に当たりましてさらに努力をしてまいりたいと存じております。  本日は、私のほか、副知事、出納長、その他関係理事者等も出席いたしておりますので、最終の総括質疑として御審議を賜り、御認定いただきますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。        ───────────────────────── 4: ◯大野委員長 これより質疑に入ります。通告により順次発言を許します。  なお、質疑は一括してお願いいたします。  それでは、まず高屋委員に発言を許可いたします。高屋委員。 5: ◯高屋委員 私は、平成11年度京都府各種会計決算総括質疑に当たり、会派代表の先頭を承りました自由民主党所属の高屋直志でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  荒巻知事におかれましては、御就任以来、常に安心・安全で豊かな暮らしの確保を通じて 260万府民の幸せと京都府の限りない発展を願われ、計画的かつ合理的な行財政運営により、府民の信頼と負託にこたえるべく御尽力をいただきました。その御努力と大きな成果に心から感謝申し上げ、深い敬意を表します。  平成11年度は、長引く国内経済の低迷により、府税収入は法人2税を中心に前年度を 433億円余りの減収という極めて厳しい財政環境となりましたが、従来にも増した歳出の節減、合理的重点配分により、4府総仕上げに向け多岐にわたります府民の熱い期待におこたえいただくべく、効率的かつ積極的な事業執行に努められますとともに、税収の大幅減額補正というかつてない厳しい状況にもかかわりませず、23年連続で黒字とされました平成11年度決算に対しまして、我が会派を代表して高く評価いたしますとともに、関係部署で大変御苦労いただきました職員の皆様にも心から感謝を申し上げる次第であります。  さて、平成11年度の京都府政を顧みますと、真の豊かさと府域の均衡ある発展を目指してお取り組みいただいております第4次京都府総合開発計画も、目標年次を間近に控え、順調に推進され、特にJR舞鶴線電化高速化開業を初め、道路・鉄道など社会基盤の整備や下水道整備、圃場整備や工業団地づくり、さらに伝統産業や中小企業に対する緊急不況・雇用対策など、産業振興はもとより、福祉、医療、環境、文化、教育などさまざまな分野できめ細やかな施策が着実に進められ、活力と潤いのある地域づくりの成果が実感できるところであります。  しかしながら、長引く経済不況などにより依然として厳しい財政状況が続くものと懸念されます中、増大する府民の期待に的確にこたえつつ、「財政健全化指針」に基づいた行財政改革を着実に進めていくことが今後の府政推進の重要な課題であります。  知事におかれましては、その卓越した行財政運営手腕を遺憾なく発揮され、豊かで夢と希望に満ちた21世紀の京都府が築けますよう、積極的な行政展開を期待するものでございます。  また、去る10月1日、網野町八丁浜海岸を舞台に開催されました「第20回全国豊かな海づくり大会」が、天皇・皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、大きな成果をおさめ、有終の美を飾られました。ここに改めて、荒巻知事初め京都府御当局と、万全を期して警備に当たられました京都府警、さらに網野町を中心とした丹後地域の市町御当局、並びに関係皆様の多大な御尽力に衷心より感謝申し上げ、深甚なる敬意を表します。また、内容、態度ともにすばらしい作文発表や伝統芸能の演舞を発表されました地元小学校の児童の皆さん、コーラス、演奏など、表舞台での活動に加え、前夜の大雨による会場周辺の水たまりの整備にとうとい汗を流してくださった高校生、丹後地方の小・中・高校の児童・生徒の皆さんの活躍と、大会を成功さすべく地域挙げての熱心なお取り組みに大きな感動を覚え、胸の熱くなる思いがいたしました。まさしく日本のふるさとは健在であり、21世紀を支えてくださる青少年がたくましく成長され、学業の傍ら地域に根差した活動をされておられますことはまことに頼もしい限りであり、御指導いただきました京都府教育委員会、各市町教育委員会初め、教職員と関係地域の皆様に改めて心から厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。  それでは、質問に入ります。
     先般、京都府の新しい総合計画(試案)が発表され、少子・高齢化時代に対応した新たな総合計画が策定されますことは、21世紀への夢をはぐくむ指標であり、府民の大きな期待が寄せられているところであります。そこで、新しい総合計画のうち、京都府の目指す将来像について2点お尋ねをいたします。  まず第1点は、「豊かな社会基盤が支える快適でうるおいある社会」の実現には、京都縦貫自動車道の全線開通と宮津以北の高規格道路の延伸に加え、アクセス道路の整備、JR山陰線京都-園部間全線複線化の促進など、道路交通網のさらなる整備に向けた具体的なお取り組みが重要課題と考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、国民文化祭開催についてであります。  このたび「文化立国に向けて」と題する2000年度の教育白書が文部省より公表されたと報じられております。地域住民が文化活動を発表する機会を提供するなど、国民の文化活動への参加を促すことが必要だと訴えており、地域文化活性化のためには、地方自治体の役割の重要性や企業などによる文化支援も必要だとされております。  本府の目指す将来像には、「文化・学術を創造し、世界に発信する社会」、それは、伝統の上に新たな文化を創造するとともに、府内各地域の特色を生かした交流が全国的・国際的に展開される中で、互いに文化や学術を高め合う社会を目指すと示されております。まさに、文部省の提言を先取りされた計画であり、高く評価するものであります。  高度な学術研究による科学技術の発展は、国民生活のさらなる向上と国際社会に貢献するため大きな期待が寄せられており、それらを支えるエネルギーは町衆皆様の文化活動による地域の教育力の向上であります。悲しみを喜びに変え、苦しみを楽しみに変えるのもまた文化であります。文化は、人類のみが持つ固有の崇高な資産でもあります。本府の目指す計画の具現化の一助に、昭和61年、東京都から始まりました国体の文化版とも言われます国民文化祭の開催はいかがなものでございましょうか。本年は第15回大会が広島県において43種目が39の市町村で開催され、私の地元から和知太鼓も参加をされました。  そこで、質問の第2点は、既に平成20年度まで開催県が確定しているようでありますが、新しい総合計画の締めくくりの平成22年、いわゆる2010年の節目の年に第25回国民文化祭を日本の文化首都京都において、京都市御当局との連携の中でぜひ開催ができますよう御検討いただきたいと存じますが、知事の積極的な御所見をお伺いいたしたいと存じます。  第3点目は、京都新光悦村についてであります。  今年度、実施計画の策定にお取り組みいただき、着実に計画が推進されているものと地元住民の期待は日増しに高まりつつあるところでありますが、現在の進捗状況についてお伺いいたします。  また、平成13年度造成工事に着手される予定と聞いており、用地確保については園部町御当局でお取り組みをいただいていると伺っておりますが、その取得状況はどのようになっておりますか、さらに京都府が用地取得される時期はいつごろを予定されておりますのか、また造成後の土地の運用や分譲について、書面審査でも若干伺いましたが、改めて知事の御所見をお伺いいたしたいと存じます。  次に、農林業振興対策についてであります。  平成12年度産米の計画的生産については、「水田農業経営確立対策」が実施される中で、農家の懸命な努力により、全国及び京都府ともに生産調整目標面積を達成されたところであります。しかしながら、米価の先安感など、米を取り巻く厳しい状況にかんがみ、国及び生産者団体であるJA全国中央会は、米の需給調整と稲作経営の安定を図る観点から「平成12年緊急総合米対策」を取りまとめられたところであり、この中で、緊急食糧支援事業として75万トンを隔離するとともに、平成13年度の生産調整規模を5万ヘクタール程度緊急拡大するなど、緊急対策の導入はやむを得ないものと考えますが、「緊急総合米対策」の実施に当たって、府内の農業や農家への影響ができる限り少なくなるよう御配慮いただきたく、行政の各般にわたって強く的確な施策を講じていただきますように要望するものであります。  また、中山間地を中心に小規模な農業の多い地域では、水田を守るための土地利用型作物である特産の黒大豆や小豆などとあわせて、京野菜など施設野菜の積極的な導入により収益性の向上が図られてまいりました。  そこで、お尋ねの第4点は、これまでから水田農業の振興を図るため「ハイレベル水田農業振興事業」など積極的に取り組んでいただいているところでありますが、今後どのような取り組みをされますか、御所見をお聞かせください。  また、中山間地域では、継続した営農活動により農地などの保全管理を通じ、水資源の涵養や防災機能などを維持するとともに、農家経済を支えてきたところであります。このため、平成12年度からは直接支払制度が実施をされ、農業生産活動を通じて農地の保全などが図られる場合に支援することとされたところであります。けさのNHKの報道にもその制度の内容が解説をされておりました。地域の特性から、必ずしもまとまった農地を保有していない農家も多く、集落によっては事業の適用に当たってさまざまな課題があると聞いております。制度の趣旨を生かすためにも、できる限り地域の実情に即した運用が図られるよう期待するものでありますが、本府ではこの制度をどのように推進されますのか、あわせてお伺いいたしたいと存じます。  次に、野生鳥獣被害防除対策についてでありますが、近年、中山間地域を中心に農林業家の懸命の防除努力にもかかわりませず被害が増大しており、被害額もここ数年、年間約8億円に上っていると聞いております。これら農林産物の被害は、生産意欲を失わせますとともに、地域の定住条件にさえ悪影響を及ぼしております。特にシカの被害は顕著で、季節を問わず、水稲や野菜などの畑作物を初め、杉、ヒノキの幼齢林から壮齢林に至るまで広範囲に及んでおります。  こうした中、本府では防護さくの設置に対する補助金の増額など積極的に取り組んでいただき、一定の効果も出ておりますが、人々がさくの中で生活する現状が果たして健全な姿なのか、疑問であります。作物を防護さくで囲うのではなく、禁猟区を設定して、その中に鳥獣を囲い込む発想も必要ではないかと思っております。  有害鳥獣対策は、中山間地域を中心に緊急かつ深刻な問題となっており、防除と駆除による個体数の適正管理の両面から取り組む必要があります。  そこで、お尋ねの第5点は、近年被害の顕著なシカについて、個体数管理を行うための調査を実施し、「特定鳥獣保護管理計画」を策定されたと伺っておりますが、この計画に基づいて今後どのような対策に取り組まれますのか、また、鳥獣被害を直接防ぐための防除対策も引き続き重要と考えますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  以上で私の最初の質疑を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 6: ◯大野委員長 荒巻知事。 7: ◯荒巻知事 高屋委員の御質問にお答え申し上げます。  高屋委員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、平成11年度決算につきまして高い評価を賜りまして、まことにありがとうございました。  また、豊かな海づくり大会につきましても温かいお言葉をいただきまして、感謝を申し上げたいと存じます。  まず交通網の整備についてでありますが、京都府の新しい総合計画(試案)におきましても、府域の南北縦貫軸を形成する高速交通網などの整備につきましては、引き続き重点的に進めることといたしております。道路網の整備につきましては、まず京都縦貫自動車道、及び、それに続く鳥取豊岡宮津自動車道の整備を促進してまいりたいと考えておりまして、これらが完成いたしますと、京都市から網野町までの所要時間が現在の 200分から 110分へと90分の大幅な短縮が図られることとなります。また、高速道路と一体となったインターアクセス道路はもとより、府域内の地域間相互や隣接府県の交流・連携を促進する幹線道路の整備も進めてまいりたいと考えております。あわせて、個性を生かした活力ある地域づくりを支援する道路の整備や、府民生活に密着した道路整備につきましても、渋滞解消、交通安全対策、防災対策、環境対策、福祉・医療などの観点から、計画的に取り組んでまいる所存でございます。また、京都縦貫幹線鉄道などの充実・整備を図っていく考えでございまして、JR山陰本線につきましては、さきに完成いたしました二条-花園間の複線化に引き続き、残る京都-園部間の複線化が何よりも必須の事柄であると存じております。  いずれにいたしましても、沿線市町とも十分連携を深め、速やかな実現を目指しまして、政治力、行政力を結集して、最大の努力をしてまいりたいと考えております。  次に、国民文化祭についてでありますが、アマチュアの方々のさまざまな文化活動に対して、全国的な規模で発表や交流の場を提供し、国民レベルの文化活動への参加意欲を喚起いたしますとともに、地域文化の振興を図ることを目的として毎年開催されているところは先ほどお話しのとおりでございます。京都府といたしましても、古典芸能や郷土芸能、演劇、音楽など、各分野で活躍されている団体等を推薦いたしまして、参加費を助成しているところであります。  京都は、千年の都として全国に誇る文化を生み、はぐくんできた土地柄でございまして、これを継承し、さらに高めていくとともに、高齢化社会あるいは生涯学習の時代に入りまして、そのすそ野をより広めていくことが重要であると考えております。  京都府といたしましても、このような観点から、京都ならではの文化・芸術の振興を図りますとともに、府内の各地域において自主的な文化活動が一層活発になるよう取り組みを推進しているところでございますが、委員の御提案につきましては、大変夢のあるお話でもございますので、これらの成果を踏まえつつ、京都市など市町村ともよく相談しながら、今後十分に研究、対応してまいりたいと考えております。  京都新光悦村の進捗状況についてでありますが、今年度は工事着手に向けまして工事実施設計に取り組んでおりまして、進出を検討されている企業や作家の方々により結成されております「京都新光悦村推進協議会」の皆様の御意見をお聞きしながら、全体の運営計画や事業内容など、整備計画の具体化に向けた検討を行っているところであります。  用地につきましては、地元の船井・北桑田地区土地開発公社におきましてほぼ取得されているところでございまして、京都府といたしましては、平成15年度の分譲開始を目標としているところから、平成13年度の用地取得を目指してまいりたいと考えております。  また、この京都新光悦村は、ものづくりを行う職人さんや工芸作家さんたちにたくさん進出していただくことが重要となっておりますので、例えば、土地の賃貸などを含めまして、従来の分譲方式以外の方法を検討するなど、より進出していただきやすい仕組みを考えていきたいと考えております。  水田農業の振興についてでありますが、京都府におきましては、水田の有効利用と農家の所得安定を一体的に進めていくために、従来から圃場整備とあわせて、稲作の作業受委託によるコスト低減や、黒大豆、京野菜など収益性の高い作物の産地づくりに力を入れてきたところであります。今月の15日に近畿の平成11年農業粗生産額が公表されましたが、近畿全体では 5.2%の対前年減となっており、減少している府県が多い中で、京都府は前年より 0.4%増加するなど、成果が着実にあらわれてきております。  今後とも、京野菜などの園芸作物を農家経営を支える重点作物として振興するために、園芸ハウスの整備を促進いたしますとともに、土地利用型作物につきましては、市場評価の高い黒大豆や小豆に加えて、需要が増大している白大豆の一層の拡大を図るなど、集落や生産組織の実情に応じてきめ細かく支援してまいりたいと存じます。  中山間地域等直接支払制度につきましては、知事特認基準による対象地域の拡大を図りますとともに、本制度が中山間地域の実情を踏まえたものとなるように国に強く働きかけまして、その結果、農地面積要件の弾力化や交付金の使途などについての要望が制度に反映されたところでございます。  京都府といたしましては、この制度の実施を通じて、集落機能の強化や農地の保全にとどまらず、地域農業の振興や農村の活性化に結びつくよう、国への働きかけを含め積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  野生鳥獣対策についてでありますが、有害鳥獣による被害が農林水産物の生産などに大きな影響を与えております。また、つくった方のお気持ちをお察ししますと、せっかく収穫直前に来て一遍にそれがなくなってしまうということは、本当に耐えられないことでございます。  京都府といたしましては、現在最も有効な防除方法である防護さくの設置と狩猟や駆除による個体数管理に努めてきたところでございます。  特に、被害が深刻なシカにつきましては、専門家などの意見を聞き、個体数管理を適切に行うために、雌ジカの狩猟解禁地域の拡大、捕獲頭数制限の大幅緩和、これは今まで雌ジカが一猟期に1人1頭ということになっておりましたのを、雌・雄を問わずに猟期中を通じまして、1日1人1頭と、こういうことになります。雌ジカは全猟期を通じて93頭で一応は頭打ちということにいたしておりますが、とにかく大幅緩和などをいたします特定鳥獣保護管理計画を策定したところであります。今後は、この計画に基づきまして、狩猟団体との連携を図りながら、個体数調整を確実に進めてまいりたいと考えております。  また、防除につきましても、防護さくの設置延長は京都-東京間の距離の約 2.6倍に当たる 1,300キロメートルにも達しておりますが、今後とも、地域の要望に積極的にこたえますとともに、市町村や関係団体と連携をしながら、諸対策の効果的な推進に努めて、被害の軽減につなげてまいりたいと存じております。  以上でございます。 8: ◯大野委員長 高屋委員。 9: ◯高屋委員 いろいろ懇切丁寧に、多岐にわたります御答弁を賜りまして、まことにありがとうございました。  特に、当初にも申し上げました海づくり大会の成果を今後の行政推進の中で十分に地域と密着をして生かしていただきたい。そして、山・里・海が一体となって21世紀に向けてそれぞれの地域の住民が頑張れるように御指導賜りたいと思う次第でございます。  なお、鉄道網を初めといたします幹線交通網の整備につきましては、引き続きまして御尽力を賜りますように、あわせてお願いを申し上げる次第でございます。  なお、国民文化祭の開催につきましては、やはり、潤いのある、ゆとりのある人間の内面的な感性を磨く文化活動をさらに助長・促進をしていただきますためにも大変重要な夢のある課題でありますので、どうぞひとつ今後とも前向きに御検討賜りますように重ねてお願いを申し上げる次第でございます。  知事におかれましては、非常に御繁忙な大変なお仕事でありますだけに、どうぞ今後ともお体を十分おいといをいただきまして、21世紀に向けて、 260万府民がさらに大きな希望を持って頑張れるような、その先頭に立って御活躍を賜りますように、御自愛とともに御健闘を心からお願いを申し上げまして、私の質疑のすべてを終わらせていただきます。ありがとうございました。 10: ◯大野委員長 次に、村田委員に発言を許可いたします。村田委員。 11: ◯村田委員 自民党の村田正治でございます。高屋委員に続きまして、自民党議員団を代表し、質問をさせていただく機会を与えていただいたことに心から感謝を申し上げながら、私の地域を主とした諸課題について、知事並びに関係理事者に質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  まず、不況・雇用対策についてお伺いをいたします。  経済企画庁が発表した11月の月例経済報告では、景気の現状について「企画部門を中心に自律的回復に向けた動きが継続し、全体としては緩やかな改善が続いている」との見方が維持されたものの、消費の回復のおくれから、景気判断としては2年2カ月ぶりに下方修正が行われております。また、総務庁が発表した9月の完全失業率は 4.7%と8月よりも 0.1ポイント上昇し、わずかではありますが、3カ月ぶりに悪化するなど、雇用情勢は引き続き厳しい状況にあることが浮き彫りとなっております。府内におきましても、半導体や電子部品などのいわゆるIT関連企業の業績が好調な反面、府内企業の大部分を占める中小企業の回復はおくれておりまして、とりわけ経済・雇用の両面で大きなウエートを占める和装を初めとする伝統産業や、商店街、建設業などは、今もって不況の風が吹きやむ気配が見られないのが現状であります。加えて、私の地元の南部地域では、日産車体京都工場の生産規模の縮小や、京都みやこ、南京都信用金庫の事業譲渡という深刻な問題もあり、不況・雇用対策は引き続き現下の最大の課題となっているのであります。  そこで、中小企業の不況・雇用対策に関連して、2点お尋ねいたします。  1点目は、信用金庫の破綻問題についてであります。  この問題につきましては、現在、破綻した2つの信用金庫の取引先中小企業の融資債権が京都中央信用金庫に引き継がれるのか、あるいは整理回収機構(RCC)に引き継がれるのかという通告が、京都みやこ、南京都の両信用金庫から個々の中小企業に対して行われている最中であると聞いておりまして、私のところにも、2つの信用金庫と取引のあった中小企業から「これからどうしたらいいのか」といった切実な相談が寄せられているところであります。京都府では、本年1月の経営破綻の発表直後から、国等への要請や関係者による対策会議の設置、中小企業向け信用保証の拡大や相談体制の強化など、今日に至るまで迅速な対応がとられてきておりまして、私はこのような知事の積極的な姿勢を高く評価しているところでありますが、来年1月に予定されている事業譲渡に向けて、いよいよこの問題の山場を迎えるに当たり、次の点について、知事の御所見をお伺いいたしたいと思います。  まずは、2つの信用金庫からRCCに引き継がれる債権の状況など、実態はどうなのか。今回の事業譲渡は、民間の金融機関同士の事柄という性格もあって難しい点もあると思いますが、的確な対策を講じる上で実態把握は重要であります。知事は、今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。  また、これから特にRCCに引き継がれることとなった中小企業に対してきめ細かな対応が必要と考えますが、どのように対応されるのか、あわせてお答えいただきたいと思います。  2点目は、雇用対策についてお尋ねします。  中小企業を中心として依然厳しい雇用情勢が続く中で、京都府では、雇用対策を府政の最重要課題として位置づけ、京都労働局を初め関係機関と密接に連携しながら、全力を挙げて取り組んでいただいているところであります。さきの9月補正予算において、日産車体京都工場の事業縮小や信用金庫の再編などの影響を踏まえた緊急の追加対策として、離職者向けの再就職支援面接会を開催することとされたところでありますが、具体的にどのように進めようとしておられるのか、現在の取り組み状況をお聞かせください。  次に、府営水道における環境施策についてお伺いいたします。  京都府においては、平成9年12月に「地球温暖化防止京都会議(COP3)」が開催され、温室効果ガスを減らすための「京都議定書」が採択された地として、「環境先進地・京都の創造」という知事の強い決意のもと、さまざまな環境施策を推進されていることを高く評価するとともに、21世紀に向けて、より一層の取り組みが図られんことを期待しているところであります。  ところで、過日の新聞報道などによれば、すべての日常活動、事業活動における地球環境の保全について、府が率先する行動として、昨年11月に京都府本庁舎の事務事業を対象に国際環境規格ISO 14001の認証取得をされたのに続き、京都府南部地域に供給している府営水道の宇治浄水場においても同様の認証取得を目指しておられるとのことであります。府営水道は、地方公営企業法に基づき、みずからが生産活動を行うという京都府の事業所にあっては特異な部門であり、事務部門を中心とした府庁本庁舎が取得したこととはまた趣を異にするものと推察するところでありますが、府営水道が認証取得をしようとする理念はどういったものか、また、その効果や特色、取得時期についてお聞かせください。  一方、民間企業においては、最近、企業のステータスとして、また企業戦略の重要な手段として、「環境」を前面に押し出した経営や事業展開を行うところが増大しており、その一つの手法として、環境対策を積極的に推進する企業のイメージをアピールするという意味も込めて、環境対策に係るコストと効果を比較掲示する、いわゆる「環境会計」の公表が盛んに行われようとしているところであります。環境会計についての動きが始まったころには、その基準となる事象や効果をどのようにして、またどういった尺度で測定すればよいのかというあいまいさも指摘されていたところでありますが、企業等の取り組みの広がりや、去る5月に環境庁から示された「ガイドライン」等により、一定のルールがつくられつつあり、地方自治体にあっても、民間企業に準じた経営や競争力が求められる公営企業分野でその導入が検討され、東京都水道局や大阪府水道部が公表または導入を打ち出したと聞いております。  京都府営水道においては、太陽光発電システムの導入や浄水汚泥の有効活用といった環境施策を積極的に推進されているが、ISOの認証を取得するこの機会の「環境会計」について研究され、環境対策に係る費用対効果を府民に公表されてはどうかと思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、私の地元であります宇治市域における道路及び河川の整備についてお尋ねをいたします。  御承知のとおり、宇治橋周辺から世界文化遺産である平等院にかけては世界的文化資源が豊富であり、日ごろから市民の憩いの場となっておりますとともに、宇治市域における最大の観光ゾーンとして、多くの観光客に親しまれているところであります。  さて、この地域における幹線道路であります府道大津南郷宇治線のうち平等院付近につきましては、都市計画道路・大久保宇治川線として都市計画決定がなされております。しかしながら、現在は、道路の幅が十分でないため、観光シーズンを中心に交通渋滞が、さらに歩道も片側だけでその幅も狭いことから、歩行者の安全対策上も大きな危険が生じております。市民の日常生活において、安全で円滑な交通の確保を図るとともに、全国から訪れる観光客の皆さんにゆっくりと散策などを楽しんでいただくためにも、道路の拡幅整備が緊急の課題であると認識しているところであります。こうした中で、京都府により平等院付近の道路整備事業が着手され、来年春にオープンする予定の平等院宝物館の工事とも調整が図られるとともに、周辺の環境にマッチした整備がなされるとお聞きしておりまして、私も地元選出の府会議員として大変喜んでおりますとともに、早期完成を大いに期待をしているところでございます。  そこで、知事にお伺いいたします。平等院周辺の歴史的文化地域において重要な施策であります都市計画道路・大久保宇治川線の整備の進捗状況と今後の見通しにつきまして、知事の御所見をお聞かせいただきたいと存じます。  次に、都市計画道路・宇治淀線の広野交差点改良についてお伺いをいたします。  都市計画道路・宇治淀線は、宇治市宇治から大久保を経由して京都市の淀に至る道路で、道路の性格としては都市内拠点を結ぶだけでなく、国道24号線アクセス、第二京阪道路アクセス、京阪第二外環状線道路アクセス等多くの機能をあわせ持ち、東西方向の中心的道路となっております。現在、当該路線の交通量は多いときには1日2万台と聞いておりますが、道路としては飽和状態となっています。中でもJR奈良線との交差箇所である第二宇治踏切付近においては慢性的な渋滞が発生している状況であります。一方、JR奈良線につきましては、輸送力増強と列車の高速化を目的に、現在、宇治から新田間の複線化事業が進められ、宇治市もこれを機に、先行してJR奈良線との立体交差箇所の工事を実施している状況の中、宇治淀線のバイパス道路としての先線の早期実現に向けて、府市協調を図り、府の事業として新宇治淀線を積極的に取り組んでいただきたいと考えておりますが、私は6月の代表質問でもお伺いをいたしましたが、このことについては強く要望させていただきます。しかし、全線完成には相当な期間を要するため、現府道の渋滞解消のための対策として以前から事業に取り組んでいただいている府道広野交差点の改良事業がいまだ実施に向けて進展がない状況であります。何が原因なのか、進捗状況と今後の見通し等をお聞かせいただきたいと思っております。  次に、木幡池についてお伺いをいたします。  今年の近畿地方の夏は、平成6年以来の記録的な小雨となり、淀川や桂川などの近畿の主要河川において、琵琶湖や日吉ダムで取水制限が行われるなど、著しい渇水に悩まされました。また、秋については、一転して東海地方を中心に記録的な豪雨に見舞われ、都市部において破堤、溢水し、甚大な人家浸水被害が発生するなど、異常気象に振り回された一年であったかと考えております。  幸い京都府におきましては、渇水時、豪雨時ともに、これらを原因とした大きな被害の発生には直接結びつきませんでしたが、東海地方における水害は決して他人ごとではなく、今後とも水に対する備えを着実に進めていく必要があると痛感したものであります。また、渇水につきましても、飲料水や農業用水などのように、直接的には日常生活に影響を与えないまでも、都市部の中小河川における平常水量の不足は著しいものがあり、所によって川が干上がり、これが原因となって水辺の動植物などの生態系にも多大な影響を与えたものと考えます。  私が、6月定例会代表質問で、都市内に残された貴重なオープンスペースとしてその水環境の改善を求めた木幡池も同様で、例年も夏場においてはプランクトンが異常増殖して池の水が緑色に変色するものの、今年は流入水の減少が拍車をかけたのか、より濃い緑色に変色したとの地元住人の声を聞いています。これは、池の富栄養化が進み、池自体の汚濁が深刻なものであることを証明したものであり、水質改善に向けた早急な対策が必要であるとの思いをさらに強くしたものであります。  つきましては、今までの水質やヘドロの状況の調査結果などを踏まえて、水質悪化の原因及びその対策について、府はどのようなお考えをお持ちか、また、今年度から池のしゅんせつに着手するとのお話を聞いておりますが、今年度の具体的なしゅんせつ計画はどのようになっているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  最後に、市道黄檗山手線について要望させていただきます。  宇治市の東宇治地域における南北の幹線道路は府道京都宇治線でありますが、未整備な部分が多く、またJR奈良線、京阪宇治線と並行していることもあって、慢性的な交通渋滞が日常化していることから、早急な渋滞対策が望まれています。しかしながら、密集市街地における府道京都宇治線の拡幅整備の事業化が極めて困難であります。  このような状況の中で、南北幹線である府道京都宇治線のバイパス道路として、また地域間連絡道路として位置づけ、宇治市が現在事業に取り組んでいる状況でありますが、これは宇治市の単独事業ではなく、府道の渋滞緩和の解消に宇治市も積極的に取り組んでいると解釈をしております。しかし、この建設に当たっては、トンネルの建設計画もあり、膨大な建設事業費がかかると聞き及んでおります。宇治市の財源だけでは相当な負担があり、国または京都府の協力なしでは完成に至りません。  そこで、京都府としてこの事業の早期完成に向けて、京都府の宇治市への予算配分の配慮や国への財源確保に積極的に働きかけていただきますようお願いを申し上げ、黄檗山手線について強く要望し、私の最初の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 12: ◯大野委員長 荒巻知事。 13: ◯荒巻知事 村田委員の御質問にお答え申し上げます。  信用金庫の再編問題についてでございますが、整理回収機構(RCC)への振り分けの通知が開始されました本年9月以来、これまでの対策に加えまして、国や関係団体にも呼びかけ、地域を挙げての相談体制をとっているところでございます。また、9月補正予算により、民間の金融業務経験者や弁護士、公認会計士などによる専門的な相談体制も整備したところでございます。こうした中で、本府の窓口だけでも 500件以上に上る中小企業者の方々からの相談がありまして、それぞれの実態をよくお聞きする中で、きめ細かな対応に努めているところでございます。さらに、先般、国やRCC等に対しまして、同機構に引き継がれる中小企業の方々へのきめ細かな対応について強く要請をいたしましたところ、同機構の鬼追社長さんからも、1件1件それぞれの企業の経営状況を見ながら実態に合った適切な対応を行うとの見解が示されたところでございます。私もあらゆる機会に、健全な経営をし、そして正常に元利を返済しているまじめな経営者が機械的な計算上の担保不足というだけで経営困難になるような、そういう措置はまさしく許されるべきことではないと強く申し入れているところでございます。  来る12月1日に、国の主催で第3回の「中小企業金融に関する京都連絡会議」が開催されることになりましたので、こうした場も活用いたしまして、さらに実態把握に努め、今後の対策に生かしてまいりたいと考えております。  なお、今臨時国会で無担保保証の限度額の引き上げ(5,000万円から 8,000万円へ)などが審議されていると聞いておりますので、京都府といたしましても、この動向をよく見きわめながら的確に対応してまいりたいと考えております。  次に、再就職支援面接会についてでありますが、京都労働局やハローワーク(京都職業安定所)等と連携をいたしまして、日産車体や2信用金庫からの離職予定者及び中高年の求職者などを対象といたしまして、第1回の緊急再就職面接会を、来週に当たります今月22日に開催することといたしております。この面接会の実施に際しましては、夕方から京都駅前の交通至便の土地で開催するなど、参加者の利便に十分配慮することといたしております。さらに第2回目の面接会を、今後の雇用情勢を踏まえながら、来年2月ごろに実施したいと考えております。  ISO14001認証取得についてでありますが、水を資源として事業を営んでいる府営水道にとりまして、水を生み出す自然環境の保全活動に積極的に率先して取り組むことは、環境先進地・京都の創造に向けての京都府の面目であると考えておりまして、そうして取得を進めてきたところでございます。取得に当たりましては、環境に影響を及ぼす項目の点検やマネジメントマニュアルの作成などの作業をすべて手づくりで進めるとともに、電力や薬品の使用量削減といった目標につきましても、設備改善など多額の経費をかけずに、業務経営における創意工夫によって達成しようとするものでございます。先般行われました認証審査機関の最終審査の結果、この12月20日ごろには、全国の水道事業体では3番目の認証取得ができる見込みとなったところであります。  また、環境会計の導入についてでありますが、府営水道事業では、委員御指摘のとおり、環境に配慮した取り組みを積極的に推進しているところでございますが、これらの取り組みを府民の方々に理解していただく一つの手法として研究いたしまして、できれば平成12年度決算時には具体的な数字を明らかにしてみたいと考えております。  平等院周辺の道路整備についてでありますが、歴史街道関連事業として、宇治橋のかけかえや府道平等院線の整備などに積極的に取り組んできたところでございます。お尋ねの都市計画道路・大久保宇治川線(府道大津南郷宇治線)の整備につきましては、平成9年度から平等院付近の延長約 400メートルの間において、安全で円滑な道路交通の確保はもとより、周辺の景観に配慮したゆとりある歩道の設置や電線類地中化の実施などに着手しておりまして、このうち平等院への入り口付近の延長約 250メートルの間につきましては、平成13年度の完成を目指しまして鋭意工事を進めているところであります。京都府といたしましては、今後とも地元要望を十分に踏まえまして、事業推進に努めてまいりたいと考えております。  府道宇治淀線の広野交差点改良事業についてでありますが、府道城陽宇治線から東側110メートルの間について、右折車線と歩道の設置を行うために、平成9年度に事業着手をいたしまして、現在まで用地取得に努めてきたところでございます。移設の対象となります物件はあと1件を残すのみとなっておりまして、現在、鋭意補償交渉に取り組んでいるところでございまして、早期に用地取得を終えまして、工事に着手してまいりたいと考えております。  木幡池についてでありますが、都市化の進展に伴う生活排水などの流入やその堆積物により、委員御指摘のとおり、水質の悪化が著しく、その改善が強く望まれているところであります。このため、池に堆積した泥などの除去が有効な手法であるところから、河川環境整備事業を導入いたしまして、中池及び南池において堆積した泥のほぼ全量に相当する3万 5,000立方メートルというかつてない大きな規模のしゅんせつ工事を今年度から実施することといたしております。宇治市などの関係機関や地元の皆様との調整も終えましたので、現在年明け早々には南池のしゅんせつ工事に着手できるよう準備を進めているところであります。  また、木幡池は都市部における貴重な水辺空間であるところから、しゅんせつ後の水質を良好な状態に維持するための検討もあわせて進めてまいりたいと存じております。  先ほど来いろいろ御質問のありました諸課題につきましては、村田委員におかれましては、地元議員として今後ともよろしく御支援のほどをお願い申し上げます。 14: ◯大野委員長 村田委員。 15: ◯村田委員 ありがとうございました。2信金の問題につきましては、地元は今は大変混乱しているというのが過言ではないというふうに思っておりますので、今後ともひとつ知事におかれましてはよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 16: ◯大野委員長 次に、近藤委員に発言を許可いたします。近藤委員。 17: ◯近藤委員 決算特別委員会総括質疑におきまして質問の機会をいただきました自由民主党の近藤永太郎でございます。  引き続きまして、さきに通告いたしております当面する諸課題につきまして、数点、知事並びに関係理事者に質問をさせていただきます。  まず最初に、情報化の推進についてお伺いをいたします。  最近「IT」または「IT革命」という言葉を新聞、テレビで見聞きしない日がないくらいにITが世間の注目を集めております。  ITは住民生活にさまざまな変革をもたらしておりますが、身近な例では携帯電話の爆発的な普及があります。中でもiモードなどのインターネットに接続可能な携帯電話は、発売から2年ほどしかたっていない今月、2,000万台を突破し、国民の6人に1人が手の中におさまるインターネットの端末を持つという状況になりました。昨年のパソコンの出荷台数がテレビを上回ったと聞き、ついにそこまで来たかとの思いをいたしましたが、さらに一般に販売されるようになってまだ数年しかたっていないデジタルカメラが、1世紀を超える歴史を持つ従来のカメラを出荷金額で上回ったと聞き、IT革命の急激な進行に驚きを新たにいたしております。  また、企業間では電子商取引が急速に進んでおり、世界規模の調達が当たり前のものとなりつつあります。その結果、企業系列など旧来の構造が崩れ、ITを積極的に導入し成功した企業は大幅に業績を伸ばしますが、逆に出おくれてしまったためにIT革命の大波にのみ込まれてしまう企業も数多く出てくると言われております。各企業は、まさに生き残りをかけてITに取り組んでおられるのであります。
     そして国では、IT施策を迅速かつ重点的に推進することを目的とした「IT基本法案」が上程され、衆議院を通過し、現在参議院で審議されております。また、首相の諮問機関として設置された「IT戦略会議」においては、年内にも「IT国家戦略」が策定されようとしておりますし、平成15年の電子政府実現を目指して、さまざまな準備が進められております。このように、政府は国を挙げて、単にIT革命に対応するのではなく、IT革命そのものを積極的に推し進めようとしております。府民の方々は、このようなIT革命に対しての期待や漠然とした不安が入りまじった気持ちを抱きつつ、強い関心を寄せておられると日々感じております。  そこで、お伺いをいたします。ITの進展が著しく、IT革命が府民生活に、また行政に大きな影響を与えようとしている中で、京都府では今後どのように行政や地域のIT化に取り組まれようとしておられるのか、御所見をお聞かせ願います。  次に、この4月から始まりました介護保険制度についてお伺いをいたします。  介護保険制度実施に当たりましては、保険者である市町村や、それを支援する立場の京都府におきまして、実施体制の確保や介護基盤の整備などに積極的に取り組んでこられたところであり、府民の皆様の期待にこたえて無事に制度が開始でき、現在までおおむね順調に制度が運営されていることに感謝をいたしております。しかしながら、介護保険制度は新しい制度でありますので、介護サービスの利用方法一つとりましても、行政による措置から、要介護認定を受けていただき利用者本人や御家族の希望をもとにケアプランを作成し、そのケアプランに沿った介護サービスを受けていただく方法になっております。  そこで、制度開始後7カ月以上が経過し、介護保険による介護サービスにも一定なじんでいただいた現段階で、府民の皆様が新しい制度に対してどのように感じておられるのかを把握することは大変重要であると考えております。もちろん、介護保険事業支援計画は3年ごとに見直すこととされておりますので、その際に必要な実態把握が行われるべきものとは思いますが、例えばケアプランへの希望の反映度や受けられておられる介護サービスに対する満足度については現時点で調査し、今後の制度運営や事業者指導に生かしていくべきではないかと考えております。  この点につきましては、保健福祉部の書面審査の際に私どもの会派の明田委員からも質問をさせていただき、「今後、市町村とも相談・調整する」という前向きの御答弁をいただいているところでありますが、再度、荒巻知事から介護保険制度の認知度や満足度などに関する調査の実施についての御所見をお伺いいたしたいと思います。  次に、介護サービス事業者の指導や資質向上に向けた方策などついてお伺いをいたします。  介護保険制度におきましては、多種多様な事業者に参入していただきましたことにより、事業所数としては「きょうと高齢者あんしん21プラン」で見込んだサービス量を確保できる水準になってきていると思っておりますが、その提供するサービスにつきまして基準に基づいた良質な内容のサービスが提供されるかどうかは、事業者の指定や指導権限を持つ京都府が今後どのように事業者を指導、育成していくかにかかっていると考えております。特に、制度開始時の今、各事業者の方々、とりわけ新規に事業を開始された方々に、制度や基準に対するしっかりとした認識を持っていただく必要があるのではないかと考えております。また、京都府独自の取り組みとして、行政による指導だけでなく、事業者みずからが自主点検を行い、サービスの質の維持・向上を図るための「自主点検表」を作成され、すべての事業者に配付されているとお聞きしておりますが、この「自主点検表」を活用して、より効果的な事業者指導を進められることも意義があるのではないかと思われます。  京都府として、これらの点を含めて、介護保険事業者の指導・育成にどのように取り組んでいこうとされているのか、お示しいただきたく思います。  次に、教育問題についてお尋ねいたします。  これからの学校教育には、変化の激しい社会の中で、子供たちがみずから学び、みずから考えるなど、「生きる力」をはぐくむ教育を行うことが重要であるとされ、各学校におきましては、子供や地域の実態に応じて、創意工夫を凝らした特色ある学校づくりを進めることが強く求められているところであります。  私は、こうした学校づくりの成否は、その直接の担い手である教員の資質・能力に負うところが極めて大きいものと考えると同時に、これからの時代に求められる学校教育を実現するため、教員には豊かな人間性、広い社会性、高い専門性を身につけるなどの意識改革と資質向上が何よりも重要であると考えるのであります。  しかし一方で、クラスの子供が騒ぐなどして授業が成立しなくなるいわゆる「学級崩壊」について、その実態把握や原因解明を進めておりました国立教育研究所の学級経営研究会は、今年5月に「学級崩壊は教員の学級経営が柔軟性を欠いているケースが全体の7割を占めており、教員の指導力不足が直接原因である」との最終報告が出されております。また、先ごろの新聞報道によりますと、大阪府教育委員会は、府立学校の教員約1万 1,000人のうち、その4%に当たる 420人が著しく指導力や適格性に欠けているとして、その問題行動として「教育内容についての質問に答えられない」といった学習指導上の問題がある事例や、「勤務時間中にパチンコに行く」といった勤務態度に問題がある事例のほか、「雨が降ったら休む」といった我々の常識では考えられない驚くべき事例までを詳しくまとめ、その具体的な対応策について検討を進められていると目にしたところであります。  そこで、教育長にお伺いをいたします。京都府におきましては、このような指導力不足などの問題のある教員について、どのような対応を考えておられるのでしょうか、御所見をお聞かせください。  以上、質問をいたします。よろしくお願い申し上げます。 18: ◯大野委員長 荒巻知事。 19: ◯荒巻知事 近藤委員の御質問にお答え申し上げます。  まずIT化の推進についてでありますが、御指摘のとおり、情報技術の飛躍的な発展に伴いますIT革命は、社会変革の新しい波として府民生活に大きな影響を及ぼしつつございます。京都府では、新しい京都府の総合計画(試案)のプロジェクトにおきましても、ITネット時代、このIT革命への対応を重要な課題と位置づけまして、電子府庁の実現や快適な情報通信環境の整備促進などに取り組みまして、府民生活、行政など、さまざまな分野のIT化を進める施策を展開してまいりたいと考えております。  あわせて、ITの進展に伴い、情報弱者と呼ばれる人々が生じるなど、ITのマイナスの側面にも留意する必要があると考えておりまして、高齢者や障害者にとってITを身近なものとするバリアフリー化、過疎地域における情報通信格差の是正、電子商取引における消費者保護の取り組みなども行ってまいりたいと考えております。そのため、府の推進体制を充実強化することといたしておりまして、近く京都府IT推進本部を設置いたしまして、府民だれもがITの成果を享受できる社会の構築に向けまして、府庁全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  介護保険制度についてでありますが、制度開始から一定期間経過した時点におきまして、介護サービスを利用されている方が要介護認定の結果やケアプラン、サービスの内容などに関してどのように受けとめておられるのかを把握し、今後の制度運営に生かしていくことは大切であると考えております。このため、保険者であります市町村の御協力も得まして、サービスを利用されている方々を対象に、年内にもアンケート調査を実施してまいりたいと考えております。  サービス事業者の指導及び育成につきましては、先般も対象となる府内のすべての事業者にお集まりをいただきまして、サービスの提供に当たって利用者への説明を徹底することや、プライバシーの保護、苦情処理体制の確立など、利用者の立場に立った事業運営のあり方について説明会を開催いたしますとともに、今月下旬からは直接事業所へ出向いて指導を行うことといたしております。  また、京都府独自に作成いたしました自主点検表につきましては、制度開始後の状況を踏まえ、サービス提供上の留意点や介護報酬の算定方法などについてつけ加えた改訂版を作成して、改めて事業者に徹底を図ったところであります。京都府といたしましては、今後とも、委員御指摘のとおり、自主点検表も活用して、事業者指導に努めますとともに、市町村や関係機関と十分に連携を図りながら、全力を挙げて制度の円滑な実施を図ってまいりたいと考えております。 20: ◯大野委員長 武田教育長。 21: ◯武田教育長 近藤委員の御質問にお答えいたします。  指導力不足等の問題のある教員への対応についてでありますが、これまでから授業や学級経営が成り立たない教員、怠慢や非行など服務上の問題のある教員、またメンタル面の医療的ケアの必要な教員等につきましては、まず校長、教頭によりますところの日常的な個別指導を初め、府総合教育センターなどでの個別研修や治療専念のための休職措置を含めました措置等を図りますとともに、成果があらわれない場合には分限免職処分を行うなど、状況や課題に応じました人事管理に努めてきているところでございます。  また、本年10月、文部省の研究委嘱を受けまして「新しい教員の人事管理の在り方に関する調査研究会議」を設置しまして、より適正な人事管理の体系化の検討を始めたところでございます。この研究会議におきましては、いわゆる指導力不足等の実態の分析や継続的な観察、指導、研修のあり方、さらに分限制度の的確な運用方法などにつきまして、必要に応じまして医師や弁護士などの専門的な観点からの意見も聞きながら、鋭意検討してまいりたいと考えております。  今後とも、国の動向も見きわめながら、府民の信頼にこたえる学校づくりを推進するため、市町村教育委員会とも十分連携をいたしまして、指導力不足等の問題のある教員につきましては、より厳しく、的確な人事管理に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 22: ◯大野委員長 近藤委員。 23: ◯近藤委員 それぞれの質問につきまして、御丁重なる御答弁を賜り、まことにありがとうございました。  京都府の抱える今日的課題に積極的に対処していただくとの力強い御答弁をいただき、意を強くいたしましたところで、数点要望をさせていただきたいと思います。  21世紀に京都府がどうあるべきか、そのためにITをいかに利用するかを示すのが本来の意味でのIT戦略であると理解をいたしております。特に、京都府なら京都のよさを生かしたIT革命の促進が重要であると思っております。そのため、知事を先頭に、IT担当の副知事を置き、最高情報責任者として、行政の情報化はもちろん、その地域の特質を生かす総合的な地域情報化を府民とともに進めていただきますよう心からお願いを申し上げますとともに、同時に、IT時代に即した学生と、感性を持った人材づくりが何よりも必要であると思います。新しい時代に向けた新しい京都づくりへの特段の配慮をお願い申し上げます。  介護保険についてでありますが、利用者が権利としてサービスを選択できる介護保険とは申しますものの、選ぶ情報が十分でない、利用者をサポートする体制が不十分であります。介護保険運営のかなめであるケアマネジャーの質の向上と十分働ける環境をどうつくり上げていくか。相次ぐ撤退で信頼揺らぐ介護ビジネスなど、課題と不安が顕著になってまいりました。府民の安心・安全な生活の確保のためにも、実態を十分調査していただき、今後のよりよき運営に資していただきますよう要望をさせていただきます。  教育問題でありますが、指導力不足の教員、適格性を欠く教員など、教員問題が明らかにされつつあります。京都府におかれましても、子供が育つ確かな教育実践のため、教員の実態とその意識調査を進め、教育活動が正しく評価され、教員の自己決定と自己責任が確保されますよう、指導、援助されますことを要望いたします。  荒巻知事におかれましては、府民の幸福づくりのため一層御尽力を賜りますようお願い申し上げますとともに、我が自由民主党議員団も府政の推進に一層精進を重ねますことをお誓い申し上げ、自由民主党の質問を結びます。ありがとうございました。 24: ◯大野委員長 次に、光永委員に発言を許可いたします。光永委員。 25: ◯光永委員 日本共産党の光永敦彦です。数点について質問させていただきます。  初めに、健康保険法等の改正についてです。  現在国会で審議をされていますが、その内容は、現在お年寄りの医療費が、外来で1回 530円などの定額負担を定率1割負担などとするものとなっています。試算によれば、入院・通院とも平均で 1.5倍の負担となり、病院にかからない方も含めて年1万円の新たな負担増となります。高齢者の医療費の大幅増額につながる今回の改正について、国に中止するよう求めるべきだと考えます。知事の御見解をまず伺います。  次に、介護保険についてです。  制度実施後半年以上が経過をいたしました。私はこの間、介護の現場や施設、市町村の担当者などに直接お会いしてお話を伺ってまいりました。「脳梗塞で倒れ、介護保険実施までは月約 3,000円だったが、4月以降は月1万 5,000円、負担が5倍になった。何とか半年頑張ったが、保険料の請求が来て、もうやっていけない」など、深刻な事態が今まさに浮き彫りとなっています。  そこで、伺います。知事はこれまで本会議答弁などで「介護保険制度は順調に進んでいる」と繰り返し述べてこられました。今もこの認識はお変わりないでしょうか。明確にお答えください。  次に、介護保険の保険料や利用料負担についてです。  既に全国でも、京都府下の市町村でも、保険料や利用料の軽減や減免措置が実施され始めております。「年金頼みの生活では負担が重くてサービスを利用できない」という声をどう受けとめられるでしょうか。知事はこれまで「全国一律の問題については国に要望する」と言ってこられましたが、低所得者の保険料や利用料の減免を国に求められてきたのか、低所得者の減免制度、軽減制度が必要と認められるのか、お答えください。  次に、民間事業所の撤退についてです。  4月以降、京都府で56の事業所が廃止をされています。主なものはコムスンですが、今大きな問題となっているのが農協合併に伴う農協のホームヘルプサービス撤退の動きです。京北町は既に撤退、美山町では「町のホームヘルプサービスで受け入れてほしい」と、いとも簡単な打診があったようです。町に2つしかないホームヘルプサービスの1つが撤退するとなると、利用されていた方はどうなるのか、ヘルパーの身分はどうなるのか、事業者責任はどうなるのでしょうか。「民間の利用者も町に住んでおられる住民だからほうっておくことはできない」と町の職員の方は大変嘆いておられます。知事は、こういう事態が起こっていることを御存じですか、また、どう対応されるのですか、お答えください。  次に、子育て世代の一人として伺います。  子育ての支援を進めるためには、働く条件の整備、負担の軽減や支援の充実などが必要となっています。ところが、支援の充実が今必要なときに、例えば夜久野町や幾つかの市町村で保育園の統合方針が持たれるなど、過疎化、少子化や財政難などで統廃合の動きが起こっています。保護者からは「若者の定住化促進と言いながら保育園を廃止するのはおかしい」「運営の効率化ばかりが優先されるのは疑問だ」などという声も上がっています。もちろん市町村の事業ですが、京都府は新しい総合計画案の中に、乳児保育をすべての保育園で実施し保育園への入所待機者をなくす、と子育て支援の目標を掲げています。知事は、こうした保育園の統廃合の動きについて事態を掌握されておられますか。また、こうした事態は新しい総合計画案に逆行する事態と思われませんでしょうか、お答えください。  また、長引く不況のもとで、保護者の経済負担も大変です。府立高校の授業料の減免を受けている人数も、昨年度 1,974人、今年は既に 2,090人。通学費も年間30万円を超えるところもあるようです。調査によると、私立の中学や高校で3カ月以上学費を滞納している生徒が17校で 204人もいることがわかりました。楽しみにしていた修学旅行に行けなかった子も13人、「みやこ信用金庫が倒産し、仕事が立ち行かなくなって来年卒業できるかどうかわからない」、こういう声や、また北部では「織物不況で廃業となり、学費が払えなくなった」など、本当に胸の痛む事態が今起こっています。同志社高校の生徒会では、「学費に困っている生徒を助けたい」とバザーで募金を集めたという報道もされました。こうした事態に対し、今、本府として緊急の対策をとることが必要ではないでしょうか。ところが本府は、昨年実態調査をしたにもかかわらず、今年はなお一層深刻なのに調査もしないし、授業料の直接助成も3億円削る、その上、国が学費負担軽減につながる補助金を増額したにもかかわらず、今年はその増額分3億円を本府は上乗せしようとしていません。なぜされないのですか、お答えください。  以上です。 26: ◯大野委員長 荒巻知事。 27: ◯荒巻知事 光永委員の御質問にお答え申し上げます。  まず、医療保険制度の見直しにつきましては、従来から全国知事会等を通じまして、国に対して十分な論議が広く行われるように強く要望しているところでございまして、現在、参議院において審議中であります健康保険法等の一部改正法案につきましても、責任と権限を有する国会において今後さらに十分な論議が行われることを期待いたしているところであります。  介護保険制度についてでありますが、介護サービスの利用状況や介護給付費の支払い状況、また府内の幾つかの市町村が実施したアンケート調査の結果などから判断をいたしまして、総じて大きな混乱もなく運営できているものと考えておりますが、今後ともその実施状況を見ながら、市町村と緊密に連携、協力をして、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。  低所得者に対する保険料や利用料の減免につきましては、介護保険制度は介護を必要とする高齢者を社会全体で支えようとする新しい社会保険制度でありますので、所得状況に応じて公平・公正に負担していただくことが大切であると考えております。  なお、低所得者に対する配慮など、全国共通の課題に関しましては、従来から全国知事会等とも連携しながら、さらにまた京都府といたしましても独自に要望を行うなど、必要な取り組みを進めてきたところでありまして、引き続きそうした立場で対応してまいりたいと考えております。  美山町及び京北町のJAによる訪問介護事業所につきましては、南丹地域のJAが統合されたことに伴って、今後の運営をどうするか検討されているとお聞きをいたしております。仮に事業所が廃止されます場合におきましては、地元の他の事業所に引き継ぐなど、利用者に対するサービス提供に空白期間が生じないよう指導してまいりたいと考えております。  保育所の統廃合につきましては、保育の実施主体である市町村が、多様な保育ニーズや適正な定員の確保など、それぞれの地域の実情を総合的に勘案され、決定されたものであります。最も適切な保育内容を提供するために、一部の保育所で検討がなされているものと承知をいたしております。京都府におきましては、現在策定作業を進めております新しい総合計画におきましても、子育て支援などの少子化対策を府政の重点課題の一つに位置づけまして、子育てに夢を持てる社会の実現を目指すことといたしております。こうした立場から、今後とも市町村など関係機関とも連携し、各地域の保育ニーズに応じ、乳幼児保育や延長保育など、必要な施策を積極的に推進していくことといたしております。  私学振興補助金についてでありますが、京都府の財政状況が大変厳しい中ではありますが、本年度当初予算において私学教育の重要性を十分に踏まえまして、経常費補助金の予算単価の見直しを行いますとともに、授業料減免事業補助の拡充や少子化対策のための新しい制度を導入するなど、私学助成の充実に努めたところであります。この結果、前年度に比べて4億 5,000万円、 2.5%増の総額 185億 560万円の予算を計上したところでございまして、既に国の単価改定を踏まえた財源措置見込み額を大幅に上回っているところであります。補正予算による増額につきましては、このような状況を私学関係者の皆様に十分説明し、御理解いただく中で見送らせていただくこととしたところでございますが、今後とも私学関係者の皆様の御意見も十分承りながら、私学助成の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上であります。 28: ◯大野委員長 光永委員。 29: ◯光永委員 まず健康保険法等の改悪についてですけれども、制度が悪くなることについて、知事として何も言わない、何も言えないでは大変困ると思います。大変、不況のもとですから、患者負担をさらに強いる今回の改悪について、国に対して知事として反対の声を上げるべきときだと思います。これは強く要望しておきます。  次に、保育園などの子育て支援についてですが、総合計画案でバラ色に描いたけれども、その実行は市町村任せ、こうならないように、市町村への支援を本府として一層強めるべきと考えます。また、府としてゼロ歳児保育や乳幼児医療費無料化の拡充、若い世代への住宅支援など、これも本格的な対策を求めておきます。  私学の助成についてですが、もともとは国が増額した分を本府が上乗せしないことが問題なので、これは12月議会に直ちに補正予算を組んで、振興補助金の上乗せをすべきです。また、授業料の減免制度の府負担分の増額や通学費補助の要件緩和、これもあわせて要望いたしておきます。  次に、介護保険について改めて伺います。  知事は「おおむね順調」というふうにお答えになりました。もちろん必要な対応はとっていただくのは当然のことと思いますが、おおむね順調と言われましたが、実態は大変違うと思うんです。この表をごらんください(資料提示)。見えますか。例えば特別養護老人ホームの待機者、これはこれまで 5,000人おられましたが、4月以降この方がどうなったのかさえ本府としてつかめていない状況。また、我が党の調べでは、ここにもありますように、舞鶴市の60人の施設に 300人の方が申し込んでおられるような事態も起こっています。また、表を見ていただいたらわかりますが、全体が、見込み量に対して大変低い到達になっておりまして、要介護度を重く認定された方が利用できるサービスの5分の1しか利用されていない、こういうこともありますし、在宅サービスでは、訪問看護など、利用額の高いサービスの利用度が低くなっているという状況も生まれております。山間部での利用も低いというのが全体の状況だと思います。まさに利用料の負担の問題や基盤整備のおくれの問題があるのではないでしょうか。民間サービス事業者の撤退でさらに利用者にしわ寄せも行っているのは先ほど述べたとおりです。順調と言われる知事は、こうした事態が起こっている原因を何とお考えでしょうか、改めてお答えください。  また、本府はこうした実態がつかめていないのですから、調査が必要です。既に北海道や岩手県、山梨県などで実態調査を市町村と協力して実施し、施策に反映しているところもあります。3年後の見直しでは大変遅いのですから、実態調査についての考えを改めてお示しください。  次に、保険料や利用料の負担軽減については、負担軽減をしたくても国や府の援助がないとやれないという切実な声も上がっております。そこで、国は減免の動きがあるのでしょうか。また、本府独自の軽減や減免に対する市町村支援を検討すべきですが、いかがでしょうか。改めてお答えください。  以上です。 30: ◯大野委員長 荒巻知事。 31: ◯荒巻知事 最初の御要望の点は十分に聞かせていただきます。  あとの介護の面につきましては、私もいろいろ聞いたり数字を見る中で、おおむね順調にスタートできたと、このように思っておるわけでございまして、とにかく今年の4月にできたばかりの制度でございますね、全く初めて。それをここまで半年余の間でやってきたということは、私はまぁ順調だというふうに思います。人間のつくる制度ですから、いろいろ欠点を探そうと思えば、これは幾らでも出てきます。それを初めから 100%完璧じゃないとおかしいというのも、ちょっとやはり実態としては本当の建設的な話じゃないのじゃないか、このように思うわけでございまして、いろいろ御指摘いただいたことも十分頭に入れながら、また市町村と一緒になってこの制度の円滑な実施が将来に向かって、21世紀に向かってできるよう努力をしていきたい、このように思っております。  それから、低所得者の免除等につきましては、ずっと国のいろんな見解、あるいは総理大臣の答弁、国会での論議、私たちも聞いておりますけれども、もともとこの制度が、介護を要する方々を社会全体で助け合おうと、こういう制度でありまして、保険制度という制度をとっているわけですので、その中でできるだけ公平・公正な形でみんなで負担し合うということが必要だと思います。そういう中で、制度をそのままにしておいて、しかも今、5段階を6段階にしていいというようないろんなそういう実態に合わせる制度もつくってある中で、そういうこともうんと活用していただきたいということも本意でありますし、また、市町村のいろいろの判断がありますけれども、私は基本的なものを十分に市町村が踏まえた上で判断をしていただきたい。府としては、そういう形の法律の中での問題についてはいろいろ相談しますけれども、全く住民の責任と判断でされたものについては、その地方団体の御判断だと、こういうふうに思っております。 32: ◯大野委員長 光永委員。 33: ◯光永委員 いろいろと御答弁いただきましたが、知事も京都新聞の連載、恐らくお読みだと思いますけれども、ここに書かれているような、本当に心からの介護の実態やその中でのお年寄りの叫びですね、これに本当に真摯に目を向けていただきたいと思うんです。例えば利用料の負担については、厚生省の推計で在宅サービス利用料をすべて3%に減免するのに京都府で約16億円かかると言われましたが、今問題の関西国際空港の2期工事には京都府として16億円出す計画ですが、介護が必要な方の負担軽減に使った方がよほど役に立つのではないでしょうか。考え方の問題ですけれども。地方分権の時代とおっしゃるのなら、暮らしや福祉は本府として歯を食いしばってでも守るべきと考えます。改めて、介護保険については、満足度調査にとどまらない本格的な、例えば経済負担の問題なども入れた実態調査をお願いしたいし、あわせて減免制度の具体化も強く要望して、質問を終わります。ありがとうございました。 34: ◯大野委員長 次に、新井委員に発言を許可いたします。新井委員。 35: ◯新井委員 日本共産党の新井でございます。  早速、時間がありませんので、質問に入らせていただきます。  1つは、先ほど来論議になっています不況対策についてです。  京都の経済の状況については、もう既に倒産件数が過去最悪のペースで推移するなど、極めて深刻な事態にあるということは知事も御承知のとおりだと思います。みやこ信金、南京都信金の破綻で整理回収機構送りになるのが、伏見以南の宅建業協会 800人のうち約7割だと言われています。そして建設業協会宇治支部所属の業者 200人のうち7~8割に上るのではないか、こういうことが言われて、文字どおり不安と混乱が大きく広がっています。その上、大手の呉服卸問屋の倒産で、和装関連では台風と地震が一緒に来たようなもので、激甚災並みの対策をとってほしいと、こういう声も上がっています。  今、こうした深刻な事態に直面している府民の営業と暮らしを守る、これが府政の最大の課題になっていると思います。  そこで、お伺いしますが、知事は先日、中小企業団体中央会との懇談をされて「皆さんと力を合わせて20世紀末を乗り切って、21世紀を迎えたい」と、こう述べられたようですが、どのようにしてこの年末を乗り切ろうとされているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。  それから2つ目は、乗り切り策を立てる上で大事なことは、やはり実態をできるだけ詳細につかんで、実態に応じた対策を具体的に立てる、これが求められていると思いますが、ところが、書面審査の段階で、理事者は「2信金にかかわって京都で何件の業者がRCC送りになるのか実態はわからない、つかめない」と答弁しました。それではまともな対策は打てないのではないかというのが与党の委員からも批判をされましたが、こうした態度を改めて、実態をつかむように商工部を指導すべきだと思います。同時にあわせて、今京都の中小企業や業者が何で困り、どういう対策を求めているのか。このことをしっかりつかむ、そのための実態調査をこの際、全庁挙げてやるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。  第3に、当面の資金繰りがやはり問題です。2信金については、これまでから我が党議員団として整理回収機構送りにしないための保証枠の拡大や保証協会の柔軟な対応、そして別枠での無担保・無保証人・無利子の特別融資の制度を要求してまいりましたが、改めてこの実現を強く求めるものですが、いかがでしょうか。  また、マル小の融資制度がありますが、この限度額をこの際 1,000万まで引き上げてほしい、こういう声が強まっています。この際、金利の引き下げとあわせて実行すべきではありませんか。  また第4に、年末を控えて多くの業者が生活費にも事欠く、こういう事態も生まれています。くらしの資金の増額など、京都府に駆け込めば何とか相談に乗ってもらえる、そして何とか生き延びることができる、そういう緊急の体制、制度をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。  以上4点についてお答えいただきたいと思います。  第2点目は、総合開発計画についてです。  今年は4府総の最終年度に当たって新しい総合計画づくりが既に取り組まれているところですけれども、やはり4府総の総括をどうするのか、これが大事なことだと思います。理事者は、書面審査の段階で「高速道路やJRの電化率などを上げて、全体としては締めくくりにふさわしい達成の状況」と述べましたが、4府総には、豊かさと均衡ある発展を目指して活力ある地域経済の確立を目指す、これも大きな目標だったと思います。これについて、知事は到達点をどのように見ておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。  それから3つ目の質問は、公正・公平な行政運営についてです。  監査委員から同和経営指導員についての府の補助金について、経営指導員が部落解放同盟の事務所で仕事をしていることや、部落解放同盟の役員と兼務をして職務に専念していないこと、事務処理もまともに行われていない、こういうことが指摘をされて、一定の改善措置がとられたところですけれども、これについては、これまでから我が党議員団が問題を繰り返し指摘してきたところです。ところが、これについて知事も理事者も「適正に執行している」と、このように言い続けてこられたわけですから、本府が部落解放同盟のような特定の団体や個人にはまともな行政指導ができない、これでは公正・公平な行政執行を行っているとは言えないというふうに思うんです。知事として、今回の監査委員からの指摘を受けて、こうしたことについて反省をされているのか、また、このほかにこうした事態がないかどうか、知事として全庁的に再点検されるおつもりはありませんか、お答えをいただきたいと思います。  以上、質問です。 36: ◯大野委員長 荒巻知事。 37: ◯荒巻知事 新井委員の御質問にお答え申し上げます。  まず不況対策等につきまして、一昨日でしたか昨日になりますか、ちょっと頭が混乱しているんですが(発言する者あり)14日ですね。3日前ですか、中小企業団体中央会の各業種の代表の方々とお話し合いをしたり、あるいは第一線での現状認識、また生の声も聞かせていただきまして、私もその厳しさをさらに認識を深くした次第でございます。そういう中で、一緒になって20世紀をとにかく頑張り抜いて、生き抜いて、21世紀に向かおうというお話をいたしました。当然私も、行政と指導団体の役員の方々との連帯の中でお互いに頑張ろうと、こういう誓い合いをしたつもりでございまして、中央会の役員の方々も、行政でやること、あるいは業界でやること、経営者がやること、そういう分別につきましては十分に心得た上でのお互いの議論であったわけでございます。  不況対策についてでございますけれども、信用金庫問題や和装の不振など、困難な課題が多い中で、一緒になって21世紀に向けて新たな発展を図っていこうという所存でございますが、信用金庫の事業譲渡につきましては、先ほど村田委員にもお答えいたしましたとおり、地域を挙げて整備した相談窓口などを通してそれぞれの実態を十分にお聞きしながら、きめ細かな対応に努めているところでございまして、今後とも努力してまいる所存でございます。  和装産業についてでありますが、去る5月の室町の大手卸業者の倒産の際に、当日直ちに府市共同で業界との会議を開催し、取引改善を呼びかけたところ、先般、業界内で初めて取引改革の指針がまとめられたところでございます。京都府といたしましても、こういった取り組みを支援するために、既に京都市とともに取引改善特別融資制度というものを新たに創設するなど、業界の実態に即して迅速な対応を行ってきたところであります。  また、信用保証につきましては、これまでから何度もお答え申しておりますように、京都信用保証協会において、個々の中小企業者の経営状況や返済の見通しなどを踏まえまして、適切に対応していただいているところであります。  融資制度につきましては、法律による保証限度を最大限活用した制度となっております。また、無担保・無保証人で最高 1,000万円まで利用できる新マル小の利用促進に努めているところであります。  生活面での困り事につきましては、これまでから府の地方振興局を初め、市の福祉事務所や町村役場、あるいは社会福祉協議会、民生委員など、府民の身近なところにおいて常々相談をお受けし、ケースに応じた適切な各種の福祉施策を受けていただいているところでございます。
     くらしの資金の増額などにつきましては、事業主体であります市町村の大方の意向を踏まえまして、現行の制度を維持し、実施してまいりたいと考えております。京都府といたしましては、今後とも、市町村など関係機関と連携し、生活でお困りの方の御相談には迅速で親切・丁寧な対応が行われるよう努めてまいりたいと考えております。  4府総の総括についてでありますが、真の豊かさと均衡ある発展を目指しまして、京都縦貫自動車道や京都縦貫幹線鉄道を初めとする総合高速交通網の整備や関西文化学術研究都市の建設などのプロジェクトを展開いたしますとともに、大きく変動する社会・経済情勢に適切に対応するために、産業、福祉、教育、文化などの府民生活を支えるきめ細かな施策も着実に実施してきておりまして、既にお答えしておりますとおり、交通網の整備など一部新しい総合計画に引き継ぐものもありますけれども、4府総は20世紀を締めくくるにふさわしい達成の状況に至っていると考えております。  基盤整備ばかりの成果が強調されるということではありますが、4府総策定時の府民意識調査などによりますと、道路・鉄道などの交通網や下水道など、府民生活や産業に係るインフラ整備にかかわる要望は常に上位1位・2位に来ておりまして、4府総に基づく道路・鉄道事業や生活関連基盤の整備の進展などによってそれにこたえてきたことが、府民の豊かさの実感や地域経済の活性化という面からも大きな成果を上げてきていると考えます。  欧米に比べてフローの点では豊かになってまいりましたけれども、社会資本等のいわゆるストックの面では非常におくれをとっている。道路、下水道、公園、住宅、こういうものが足らないということはずっとみんな各政治家も言ってきたことでありますし、国民もそう考えてきているところでございますので、そういうものを強化することは当然だというふうに思いますし、また例えば道路等の整備によりまして移動時間が短くなりますと、人間にとって時間という極めて貴重な恩恵があるわけでございまして、それによって経済活動も盛んになりますし、あるいはレジャー等の方の時間も裕福になりますし、また、潤いある生活ができるということで、やはりいろんな意味で豊かさに直接関係するものであろうというふうに思っております。  新しい総合計画につきましては、こうした4府総の成果を生かしまして、さらに発展しながら、府民一人一人が主役となった魅力ある京都府づくりの指針となるよう最終案をまとめてまいりたいと考えております。  公平・公正な行政運営についてでありますが、京都府におきましては、これまでからも常に公平・公正な業務の執行に努めているところでございまして、今後ともこうした基本姿勢に立って、府政の推進に努めてまいる所存でございます。  なお、同和担当経営指導員につきましては、京都府監査委員から「平成11年度の補助金の支出については、返還を求めるに足る事由は認められなかった」との監査結果をいただいたところでございます。また、それにあわせて、今後の改善点等についての意見が出されましたので、京都府といたしましては、監査委員からの意見に沿って、同和担当経営指導員の設置団体である京都商工会議所及び京都府商工会連合会が設置いたしました経営相談共同分室において全員が勤務するなど、既に改善を図っているところでございます。 38: ◯大野委員長 新井委員。 39: ◯新井委員 不況対策についてですが、中小企業団体中央会と「お互い頑張ろう」と、こう言われたようですけれども、ただ、今の答弁を聞いていますと、従来のように実態調査をされるとはまだ言われていないわけですし、さらに対策については現行の制度の説明をいただいただけで、これでは多くの業者が20世紀末を乗り越えられないという事態になりかねません。  先般、大地震の被害を受けた鳥取県では、法を乗り越えて、個人住宅再建支援のために一律に個人への 300万円の補助を決めました。これについては、鳥取県の知事は、被災者の中には高齢者世帯が多い、そして放置すれば地域の共同体が守れない、こういうことから、法になかった決断をされたわけですね。  京都の経済も、今南部も北部も和装産地も、まさに地域が崩壊する、こういう同様の事態に直面しているわけですから、知事も従来どおりの行政的、官僚的答弁に終始せずに、せめて鳥取県の知事に見習って、大震災並みの被害を受けているわけですから、思い切った対策をとられるよう、これは強く求めておきます。  それから、マル小について申し上げますと、新マル小でと、こう言われましたけれども、今回書面審査で、自民党の議員からも「無担保・無保証人で、しかも非課税でも融資が受けられる小企業融資制度の役割は大きい。これを 1,000万円まで上げてほしい」と、こういう声が出されたわけです。知事は新マル小でと言われましたけれども、新マル小は、緩和をされたといえども、納税要件があります。京都では7割が赤字法人という状況が5年以上続いているわけです。だからこそ「納税要件の要らないマル小を上げてほしい」と、これが今多くの業者の声になっているわけですし、この際、この要望にこたえて、マル小の改善を強く求めておきたいと思います。  さらに、新マル小でと言われましたけれども、新マル小についても再保険を無担保保険でやれば納税要件をなくすことができるわけです。この際、この改善をされるべきだと思いますが、この点については知事のお考えを改めてお聞かせ願いたいと思います。  それから2つ目の問題の総合計画ですが、ここに表を少しつくっておきました(資料提示)。これは少し細かいですけれども、この10年間の京都の経済がどうなったのか、このことについてまとめたものです。  事業所の減少率は京都は9.54%です。そして全国が 5.4ですから2倍近い。この間、阪神の大震災を受けた兵庫が2年前は最下位でした。しかし今回は京都が最悪と、こういう事態になっています。それから小売商店についても、4府総では大型店との共存共栄と、こういうことを言われたわけですが、伊勢丹の誘致や北部地域で言えばリゾートの民間特定施設として誘致をする、呼び込みをする。その結果-大型店は青い線ですが、この間に大幅に伸びて、売り場面積も大きく伸びています。反対に、5人未満の小売商店は、結局5軒に1軒がこの間倒産や廃業に追い込まれるという事態ですし、農林漁業も軒並み大幅な減少をしています。その結果、4府総では、北部地域では地域政策を強力に展開する中で人口をわずかながらでもふやしていく、こういうことが書かれていたわけですけれども、人口について言えば、大宮と野田川は若干上向きを見せていますが、北部地域全体では相変わらず減少して過疎化が一層進む、こういう事態になっています。そういった意味で言いますと、4府総について先ほど知事は、ハードの問題が住民の要求だと、こう言われましたけれども、しかしあくまでもそのハードの整備が京都の経済や暮らしの豊かさに結びつかないと意味がないということになってくるわけで、そういった意味での角度から、もう一度知事の御見解をお聞かせ願いたいと思います。  それから3つ目の問題は、監査委員から返還命令は出なかったということですけれども、異例の意見がつけられたわけですね。ですから、そういう意味で言うと、反省が求められているというふうに思うんです。やはり知事のそうした姿勢が今本府の行政執行にいろんな問題を起こしていると思うんです。  例えば、京都府は社会福祉法人への監査指導を行っています。国が定めた要綱で行うわけですが、ここでは市町村長などが慣例的に理事長に就任をしたり役員として参加していることは適当ではない、こういう規定をしています。ところが、全国でもまれな事態として、京都で唯一園部の野中町長が社会福祉法人「長生園」の理事長を長年続けておられて、府の理事者はこの是正すら求めてきていない。  また農協法では、代表権のある理事、組合長は兼職が禁止をされました。ところが、これも園部の野中町長が少なくとも昨年の平成11年の2月の時点で兼職をやめるべきところを、府は特例で4月25日まで認めた。その上、この兼職が実際に解消されたのが6月15日ですから、4月25日から6月15日までは違法状態になった。それにかかわらず、府としては何の措置もされていません。これにはマスコミも「元京都府副知事の野中広務自民党幹事長の弟となれば、町長のやることにはだれも文句は言えないでしょう」と京都府の対応を批判をしているわけで、まさに京都府の権威を失墜させるような事態が起こっています。知事はこうしたことを承知をされて認めておられるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。  以上です。 40: ◯大野委員長 荒巻知事。 41: ◯荒巻知事 それでは、再質問にお答え申し上げますが、最初に、鳥取県の例を言われましたけれども、それぞれ自治体が自治体で、その中で知事の判断、また府民、県民の信託を受けた責任でもっていろんな判断をされるのは、これはお互いが自主独立でやっていくべきだというふうに思っております。ただ、片山鳥取県知事が官僚的でなくて私が官僚的なような言い方をされましたけれども、実は片山鳥取県知事は、私がここへ副知事に来るまで私の下におった方で、まさしく純粋の官僚でございまして、事ごとにおいてはそれぞれ的確な判断をしているわけで、1つの事例だけですべてを何か言われるというのは、どうもいつもの手ですけれども、何か納得いかない感じがいたします。  それからマル小につきましても、私もかねて本会議で随分議論いたしましたので、それを思い出していただければ結構かというふうに思いますけれども、3年間の間に1回でも赤字であっても緊急対策はやっているという改善も2年半ほど前にやりましたし、またそのためには無担保保険等も既に活用いたしておりまして、私たちもできるだけいろんな制度を活用しておりますけれども、結局私たちが新マル小でせっかく-現実に利用している方もそっちが多いんですけれども、努力をしているわけですから、それにこだわらずに、今までの経過にこだわらずに、やはり新マル小は使っていただいて、それで解決していただきたいというふうに思うわけでございます。  それから、いろいろ表を見せておっしゃいましたけれども、いわゆる企業の数が減っているとか、人口が減っているとか、いろいろ言われますけれども、こういう問題はすべて全国的な人口問題、あるいは過疎・過密の地域の問題、産業構造の変化、いろんな形のものが総合的にそこへ出てきてその数字が出てくるわけでございまして、今の産業・事業所の減少率も、京都府と全国の比較をされましたけれども、大都市というところは大体事業所数が減っていく傾向にございまして、東京都、大阪府の数字を出していただきたい。それを比較した上で京都府はどうかと言っていただきたいですね。(発言する者あり)何か。(発言する者あり)とんでもないです。東京、大阪はずっと悪くて、別によその悪いことを私は言う気がないので黙っておるわけでございますけれども、そういう不正確な言い方はやめていただきたいと思います。  それから、最後の監査の形でありますけれども、できるだけ私たちもいろいろ御指摘ありましたことは真摯に受けとめまして、それに対応していきたいということで、早速対応させていただいたわけでございます。  あと福祉法人の役員の問題とか兼職の問題とか、いろいろもう答弁も終わっていると思いますけれども、もともと福祉法人等の役員を形の上だけで市町村長が兼務して何にも出席もしない、名前だけというのはおかしいよというところからあの問題が始まっているのじゃないかと思いますが、きちっとその点では実態的に管理をしておられるというふうに私たちは認識をいたしております。兼職禁止等もいろいろ経過のあった問題で、合併等の問題もあり、ああいう経過になりましたけれども、現在は適法な状態になっているわけであります。  以上であります。 42: ◯大野委員長 新井委員。 43: ◯新井委員 第1点の鳥取県の知事が部下だったというお話ですけれども、前も石川県の知事なり金沢の市長が同僚だと言われましたが、ただ、この場合に見ていただきたいと思うのは、やはり鳥取の場合に大地震の被害を受けて思わぬ被害が住民に出て、そのことによってその地域が崩壊するかもしれない、共同体がなくなるかもしれない、この場合に、行政としてはある意味では従来の個人財産のためには補助金を出してはならないという、こういう解釈があったわけですけれども、それを乗り越えて今度判断されたわけです。今、京都の中小業者の状態というのは、ある意味で言うと、このままでは京都の経済、伝統産業そのもの、地場産業そのものが崩壊するかもしれない、こういう事態になっているからこそ、従来の考え方じゃなしに、全面的な対応をとるべきではないかということを申し上げているわけで、このことについてはぜひ私は取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。  それから、マル小、新マル小について言えば、3年間の間に1回でも納税要件となりましたが、先ほども言いましたように、5年前から京都の場合68%、69%の法人が赤字経営になっているんですよ。もう5年以上続いてきているんです。だから、3年に1回のものも出せない、こういう中でいわゆるマル小を 1,000万に上げてほしいと、こういう声が上がっているわけで、そういった実態をよくつかんで、知事も対策については検討いただきたいというふうに思います。  それからもう1つの問題は、今の4府総の関係ですけれども、全国的な問題だと言われましたけれども、確かに全国的に同じようなことが起こっています。全国的にバブルがはじけて不況になって、消費税の増税で不況をさらに深刻にしたのが自民党政府ですけれども、しかし、全国的に不況に落ち込んだ中でも、京都の落ち込みは特別に悪いわけですね。それは京都が「ものづくりの町」で、しかも国民の消費に支えられる和装産業や観光など特別な構造にある、こういう京都の経済の実情を無視をして景気対策を公共事業の拡大で行ってきた、ここに問題があるのは明らかではないですか。現に、丹後リゾートにしても学研開発にしても、基盤整備をすれば企業や住宅が張りつく、活性化できると、こういう呼び込み方がやられたわけですけれども、これが結局うまくいかなかったというのが今の京都の実情だと思います。  それから、東京や大阪と見比べてほしいと言われましたけれども、今示したのは、全国的な事業所統計の資料です。ですから、率ですから、企業数で言えばそれは違うかもしれませんが、率で言えば、全国最悪ということについては変わりはないわけで、改めて知事もその点は資料を見ていただきたいと思います。  いずれにしても、新しい総合計画をつくるに当たっては、これまでのような呼び込み型ではなしに、地域の産業や自然、そして人的資源を生かした内発型の経済発展に切りかえること、そしてゼネコンのもうけ優先ではなしに、府民の暮らしを守ることを第一にする、そういう方向にぜひ切りかえていただきたい、このことは要望しておきます。  それから最後に、公平・公正の問題ですけれども、知事は、社会福祉法人の問題について理事者が適正にやっているはずだと言われましたけれども、社会福祉法人の指導監査の要綱があるんですね。この要綱の中には適格性という中に、今知事が言われたように兼職をしていてまともに理事会とかに出ないというのはだめだというのは別項にあるんですよ。それとは別に、地方公共団体の長などが兼任しているのは適当でないという項があるわけです。これがあるにかかわらずやっているから、全国的にもまれなんですよ。京都では唯一なんですよ。そういう特殊な扱い方をされているところに今の京都府の公正・公平とは言えない事態が生まれているということがあるわけで、このことを指摘をしておきたいと思います。  以上です。 44: ◯大野委員長 荒巻知事。 45: ◯荒巻知事 数字の話が出ましたので数字でお答えいたします。  ここにあります数字では、全国で事業所数で一番減っているのが東京都の「△ 6.1」、大阪が「△ 7.0」、京都は11番目で「△ 5.1」でございます。それから従業員数の減り方では、東京都がトップで「△ 9.7」。そして大阪府では「△10.5」、京都府では「△ 5.7」ということでございまして、とにかくいろいろそういう中で数字で出されれば、その数字はそれぞれの数字でございまして、これは平成8年と現在と比べた数字でございますけれども、いろんな要素がありますので、1つの数字だけで決めつけることはやめていただきたいというふうに思います。 46: ◯大野委員長 新井委員。 47: ◯新井委員 今の数字は平成8年との比較だと言われましたが、私が見せたのは、先ほども言いましたように、10年間の4府総をやってきた間の資料を示したのです。ですから、そういう意味で言いますと、この10年間、全国的に言えばバブルの時期もありましたし、いろんなことがありました。しかし、トータルで見たら4府総をやった10年の結果がこれだということを示しているわけで、そういった意味では、数字の使い方もお互いに都合のよいようにしないようにはしたいと思いますけれども、しかし、知事の答えられたのは、私の言った質問とは違う答弁をされたので、このことだけ指摘して、終わります。 48: ◯大野委員長 この際、暫時休憩いたします。  なお、午後3時20分を目途に委員会を再開いたしますので、よろしくお願いをいたします。    午後3時03分 休憩        ─────────────────────────    午後3時24分 再開 49: ◯大野委員長 休憩前に引き続き総括質疑を行います。  次に、北岡委員に発言を許可いたします。北岡委員。 50: ◯北岡委員 民主・府民連合府議会議員団の北岡千はるでございます。  私は、さきに通告しております数点につきまして質問いたします。  まず初めに、平成11年度の決算についてであります。  11年度の予算編成に当たっては、その財源確保のため、国に対する地方財源基盤の充実強化の積極的な働きかけとともに、地方交付税を初めとする所要の財源を確保され、また基金の取り崩し、府税の増収努力、遊休地の売却など、あらゆる財源確保に取り組まれました。と同時に、徹底した内部改革を実行されるなど、逼迫する財政状況の中、身を削る努力を積み重ねられたことと認識しております。  そのような状況下、不況・雇用対策、保健福祉対策、産業基盤対策、環境対策、また増加傾向にあるさまざまな社会問題への対応や青少年を取り巻く諸課題への対応など、各施策を展開してこられました。非常事態とも言える財政状況厳しき折、緊急的課題から21世紀を展望した長期的課題に至るまで、きめ細やかな予算執行に当たられ、我が会派として、平成11年度決算に対して高く評価するものでございます。  そこで、荒巻知事には、 260万京都府民の安心・安全のために苦心を積み重ね、英知を絞ってこられたことと存じますが、この11年度決算についての知事の御感想、及び主要事業の成果についてお聞かせください。  質問の2点目は、失業・雇用対策についてであります。  総務庁及び労働省から発表された平成12年9月の雇用失業情勢報告によりますと、完全失業率は全国が 4.7%で、前月比 0.1ポイントの上昇、近畿は 6.1%で前月比 0.3ポイントの上昇で、本年4月の水準に戻っているということであります。また、有効求人倍率は全国では0.62倍、京都府では0.54倍となっており、雇用情勢は依然として厳しく、特に近畿における状況はより一層低迷を続けております。  一方、労働省が平成12年11月10日付で発表した来春卒業予定者内定状況の調査結果では、大学卒63.7%、高校卒42.5%と、前年同期に比べて微増しているものの、その中身は、大卒男子の内定率は調査を始めた1990年以来最低となっており、あわせて、地域別による内定率は、最も高いのが関東の75.2%で、近畿の大学の就職内定率は59.2%と、前年同期に比べ9ポイント減少しています。新聞報道によりますと、文部省・労働省の両省は「明確な理由はわからないが、近畿の景気回復のおくれが反映したのでは」と推測しているようであります。内定率の悪化に歯どめがかかる兆しという見方をすれば喜ばしいことではありますが、特に近畿における雇用・失業情勢並びに新規学卒者の就職内定状況は、極めて厳しいものと認識せざるを得ないところであります。  このように長引く不況が就職内定率に大きく影響する中、京都府におきましては平成11年度、国の緊急地域雇用特別交付金を活用して、緊急雇用特別対策を初め、数々の失業・雇用対策事業を果敢に実施してこられました。それらの事業の中でも、特に新規学卒者にとっては就職内定の大きな手がかり、チャンスとなる本府の雇用対策推進事業のうち、これまでの就職説明会の開催の実施状況と成果についてお伺いします。  また、IT革命時代と言われる最近、パソコン操作等は就職に有利に働く条件の一つと言われておりますが、離職者、転職者の一層の再就職促進を図るために、どのように事業として実施されたのか、その成果とあわせてお聞かせください。  質問の3点目は、地方分権の推進についてであります。  地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律、いわゆる地方分権推進一括法が取りまとめられ、本年4月1日から施行され、また先般、地方分権推進委員会が本年8月8日、内閣総理大臣に意見書を提出しました。その中身によると、いよいよ事務事業の「権限」や「財源」、それを担うところの地方自治体の行政水準の高さ、力量が重要な要素である時代となってきていることを再認識するものであります。同時に、自治体関係者や地域の住民の皆さんが、21世紀の個性豊かで多様なまちづくりを、また、自主性や主体性を持ってまちづくりを推し進めるスタートが切られたのでありますが、その原則としては、自己決定、自己責任がなければなりませんし、あわせて、議論を積み重ねていくための必要な情報公開も積極的に実行していかなければならないと考えるところであります。  さて、地方分権下のまちづくりや介護保険など、福祉面を初め住民のニーズに的確にこたえていくための行財政基盤の充実強化を図っていく上で重要な課題となりますのが市町村合併の問題であります。さきの我が会派の代表質問におきましても山本正議員がこのことに触れ、「市町村合併の機運もこの10年間には出てくることも考えられる」と発言しておりますが、私も合併の是非については、地域の皆様方が情報公開をもとに我が町のおのおのの実情を把握され、十二分に議論を重ねられることが何よりも必要不可欠であろうと考えるところであります。知事も、他の議員の一般質問に対し「市町村合併は基礎的地方公共団体であります市町村にとって地方自治の根幹にかかわる重要な問題でありますので、市町村や住民の皆さんの自主性・主体性を基本として議論が高まっていくことが大切であると考えております」と答弁しておられます。  知事のこのような観点から、市町村と府が共同で、21世紀の市町村行政のあり方について、合併や事務の共同化などに関し、幅広く研究調査を行うことを目的とした「市町村行財政研究調査会」を設置されたとお聞きいたしました。既に5回に及ぶ会議が開催されておりますが、これまでの会議における議論の内容及び一定の結論の取りまとめなど、進捗状況をお聞かせください。また、府民の皆さんに市町村合併を初め地方分権について考えていただく機会づくり、また、啓発などは今後どのようにされるのかお示しください。  最後に、私たちを取り巻く数々の深刻かつ重大な社会問題の中でも、「児童虐待」「ドメスティック・バイオレンス」「セクシュアル・ハラスメント」「ストーカー」、そして、いわゆる極度の心の閉鎖状況にある「引きこもり」を初めとする問題における「心のケア」についての本府の対応策の充実に関して、現実、現状に即しつつ質問いたします。  まず、児童虐待につきましては、ここ数年、関係機関への相談・通報件数が全国的に急増し、死亡事例も後を絶たないとの報道が繰り返し行われる状況にあります。府内におきましても、平成11年度京都府児童相談所における相談受付件数は90件で、前年度比51件の増加であり、そのほとんどが身体的暴行や保護怠慢となっております。また、主な虐待者は実母であり、90件中65件を占めています。このような状況をかんがみ、我が会派といたしましても、その対応策について具体的な提案とともに議会で取り上げてきたところでございます。  本府におかれましては、児童虐待の実態を把握され、その早期発見や適切な対応を図るための「児童虐待対応協力員」の設置や予防のための地域支援のネットワーク化のモデル事業として「虐待防止協議会」の設置をされました。さらに、児童養護施設についても心理療法を行う専門職員の配置及び必要な施設の支援を充実していただく方向にあると伺っております。  こういった取り組みの推進を大いに評価するものでありますが、報道等によりましても、児童虐待はまだまだ潜在的に多く、また、中には即座に親子の分離をしなければならない場合も含めて、親子関係の修復にはかなりの時間を要する場合があります。また、虐待を受けた後の子供に対する心理的ケアについては、より一層慎重を期すことが求められるため、時間と配慮が必要です。同時に、虐待の中でも性的虐待は表面化しにくく、被害者の成長過程や成人後もトラウマや多重人格など、一定の時間が経過した後も心理的ケアが必要となります。親の心理的ケアにつきましても同じく必要であります。  次に、配偶者及び恋人からの身体的、精神的、あるいは性的な暴力であるDV(ドメスティック・バイオレンス)についてであります。  この問題も、これまでは児童虐待と同様になかなか表面化しなかったものであります。本府の女性総合センターにおけるDVについての相談状況は、平成11年度相談総件数 1,683件のうち約2割を占めており、前年度より増加傾向にあると伺っております。新聞報道によりますと、警察庁は昨年5月、介入に慎重だった従来の姿勢を見直し、事実に対する立件を含めた積極的な対応をとるように方針を転換し、全国の警察本部に指示していたということであります。  先般、京都府におきましても、DVによる逮捕など、警察の積極的対応が注目されているところでありますし、また、京都府警のDVによる検挙状況は、傷害等を初めとして、平成11年、12年ともに15件となっております。これまで、DVに耐えてこられた方々は、大変心強い思いを抱いておられることと思います。しかしながら、京都市と京都市女性協会が実施した「女性への暴力市民意識調査」によりますと、こうした暴力を受けている被害者は、「時間が過ぎるのをただ待っていた」や「だれにも相談できなかった」ということが、「逃げた」「助けを求めた」というものよりはるかに多く、潜在化する問題解決のために緊急避難場所や法律の整備を求める声が強いということであります。  このように、DVに関しては、身の危険を感じる場合には至らないものの、かなりの不安感を持っておられる方が多く、心理的ケアと解決方法の相談体制の整備が必要と考えるものであります。  次に、セクシュアル・ハラスメントについてでありますが、平成11年度の女性就業サービスセンターの女性労働相談員設置事業における相談件数は 1,854件中34件となっております。本府におきましては、女性政策の充実と周知を図る取り組みを続けていただいており、その対応を評価するものでございます。しかしながら、一般的に「どういう状態がセクハラに当たるのか」とケースごとに率直に聞いてこられることがまだまだ多いという実感がしております。このことにつきましてはまた別の機会に述べたいと存じますが、いずれにいたしましても、セクハラを受ける方にとっては、その精神的苦痛は否めない事実でありますので、それぞれの事態は解決していかなければなりません。  そこで、事態の解決と同様に必要なのは、セクハラを受けた方の心理的ケアであります。思い切ってその苦痛を相談し、解決に向けて努力しても、直ちに心の安定を図れないケースが多いということであります。このことは女性に限ったことではなく、男性にも同様のケースが見られます。安定した心の状態を取り戻すために、心のケアを求める人々の受け皿が必要と考えるところであります。  次に、ストーカーにつきましては、私もかねてより問題提起とその対応の必要性を訴えてきましたが、今月24日には「ストーカー行為等の規制等に関する法律」が施行され、実効性ある対応を期待するものであります。  京都府警によりますと、平成11年ストーカー行為等に係る相談受理及び事務取扱件数は 320件でありますが、12年9月末現在はその3倍の 966件に激増しております。その相談体制の強化につきましては、本部を初め各警察署の生活安全課に「ストーカー対策室」を設けられるなど御努力いただいており、犯罪の抑止力に弾みをつける点でも感謝するところであります。しかしながら、相談の内容によっては、解決のための期間を要する場合もあろうかと思います。  こういった場合、相談者の立場に立ちますと、不安を払拭し、心の安定を図る手だてが必要となってまいります。府警におかれましては、臨床心理士の専従も図り、一定のフォローをされていますが、今回の法律は、恋愛関係に限定されていることや、ストーカー事案かどうか明確でない相談もあろうかと考えますと、相談者の心の安定については、他のさまざまな生活相談も受けられる中、限られた人員での警察だけでは対処できかねるのではないでしょうか。また、犯罪や災害等により被害を受けた場合には「京都犯罪被害者支援センター」において事後の心のケアの受け皿がありますが、犯罪被害者とまではならない場合の受け皿も必要と考えるものであります。  最後に、いわゆる「引きこもり」についてであります。他の議員からもこの問題については委員会にて発言のあったところでありますが、先日もテレビでの特集番組が放映されるなど、新たな社会問題としてクローズアップされてきておりますし、また私自身もお子さんの引きこもりについて悩んでおられるお母さんのお話を伺っているところでございます。  引きこもりにつきましてはさまざまな要因が考えられておりますが、不登校から始まるケースが多いと聞いております。不登校の現状は、例えば公立中学校の場合、30日以上の欠席者は平成11年度全国では10万 2,511人、京都府全体では 2,245人となっており、その発生率ともに増加傾向にあります。教育委員会では、各学校教育において生徒への多様なカウンセリングを初めさまざまな指導を実施していただいているところであります。しかし、引きこもりの状態にある本人の年齢や状況によって、その対応をする場所がどこであるのかがわからない実情にあります。こういった場合、本人はもちろんでありますが、家族の方々の心のケアも必要となってまいります。その上に立って各関係機関の的確な連携が重要と考えます。  以上、6点の問題についての現状と諸施策について述べてまいりましたが、すべてに共通するのは、不安からの解放であり、心のケアについての重要性であります。心の時代と言われておりますように、思いやりといたわりを持って、社会の激変などにより傷ついた人々の心の安寧を図る窓口を、場所を、人材を、また場合によっては緊急避難的・シェルター的役割を持つ場所が必要と考えるものであります。  そこで、具体的には医療や福祉施設など、社会精神医学や臨床心理学など専門家のおられる施設に、多種多様な問題の内容にかかわらず、以上のような役割を持ち、行政の連携を促進させる施設を設置していただきたいと考えます。府民の安心・安全のためにぜひとも研究していただき、まず第一歩としてそのモデル事業「心のケアステーション」を実施し、さらによりよいものに展開していただけないものでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。  結びに、要望いたします。  まず、介護保険制度に係る問題でございますが、この問題につきましては、各質問事項を委員会にて、るるさせていただきましたが、特にグループホームの整備促進について要望させていただきます。  もう1点の要望は、京都みやこ、南京都両信金の事業譲渡の問題についてであります。本委員会におきましてもいろんな質問をさせていただいたところでありますが、特に中小企業金融に関する京都連絡会議の充実を図って、相談制度を活用した雇用の確保及び信用金庫に関する監督権限を有する国への働きかけや協力に対して万全を期していただきますよう切にお願い申し上げます。  以上でございます。よろしくお願いします。 51: ◯大野委員長 荒巻知事。 52: ◯荒巻知事 北岡委員の御質問にお答え申し上げます。  北岡委員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、平成11年度の決算に対しまして高い評価を賜りまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  まず、平成11年度の決算についてでありますが、歳入面では長引く景気低迷の影響などにより、府税収入が全国最悪の落ち込みという前年度に比べて 434億円、14%のマイナスという大幅な減収となりまして、財政調整基金を全額取り崩すなど、極めて厳しい状況であったと考えております。  こうした中、5月には中期財政見通しを、また11月には財政健全化指針を策定いたしまして、中長期的な展望に立った財政健全化の取り組みを定めまして、京都府民、また府議会、そして職員団体等の御理解、御協力を得まして、組織を挙げて推進してきているところでございます。  このような取り組みを踏まえ、歳出面では、貴重な財源を有効に活用し、厳しい府内の景況に配慮した不況・雇用対策や介護保険制度の円滑な導入に向けた保健福祉対策を初め、地球環境問題への対応、伝統産業の活性化や新産業の育成などの産業振興、さらには農林水産業の振興や教育の充実といった多くの課題に対処するとともに、社会資本の整備を初めとする21世紀にふさわしい京都府づくりに向けた施策の着実な推進に積極的に取り組んだところでございます。その結果、実質収支は辛うじて黒字を確保いたしましたものの、これからも予断を許さない厳しい財政状況が続くものと考えておりまして、今後ともより一層効果的、効率的な行財政運営に努めてまいりたいと考えております。  雇用対策についてでありますが、新規学卒者向けの就職面接会につきましては、京都労働局との共催により、6月7日に1回目を開催いたしまして、 1,400人が参加をし、80名余りが内定をしたところであります。また、今月8日には2回目を開催し、約 1,100人の参加があったところでございます。参加者からは、「就職活動の参考となった」「多くの企業の話を聞けてよかった」などの評価を多数いただいております。来年2月には3回目の面接会を開催する予定でありますので、より効果的な取り組みとなるよう努めてまいりたいと考えております。  ちなみに、昨年度(平成11年度)は、実績といたしまして3回の面接会を行いました結果、209人の内定者を得ております。  離職者向け短期職業訓練につきましては、11年度はパソコン操作などの訓練を、雇用状況の厳しい府南部地域や丹後地域などを重点に実施したところであります。 120名余りの受講者がありまして、その大半が中高年齢者である中でございましたが、パソコン検定を受検された方のうち約80%が合格されまして、また、就業調査に回答された方のうち約30%が就業をされております。なお、今年度は受講者数を2倍以上にふやして訓練を実施しているところでございます。今後とも、京都労働局との連携を図りながら、全力で雇用対策に取り組んでまいりたいと考えております。  地方分権関係、市町村の合併についてでありますが、本格的な地方分権時代を迎えまして、市町村行財政の充実強化を図る上で市町村合併は重要な課題の一つであると認識をいたしております。同時に、市町村合併は地方自治の根幹にかかわる重要な問題でありますので、これまでから申し上げておりますように、市町村や住民の皆さんによる、盛り上がる自主的・主体的な論議が十分に行われることが大切であると考えておりまして、こうした観点から、京都府では全国では例を見ない、先ほど御指摘いただきました市町村との共同方式で市町村行財政研究調査会を設置いたしまして、府市長会、府町村会の代表者や学識経験者の参画を得まして、検討を重ねているところでございます。その中で、これまで5回の会合が持たれまして、市町村行財政の現状と課題、合併や事務の共同化のメリット、デメリット、地域の結びつきなどについて熱心な論議が進められていると伺っております。今後、この検討結果が出されましたら、それを踏まえまして、合併を含む21世紀の市町村行財政のあり方について、市町村や住民の皆さんによる自主的、主体的な論議の出発点となるような一定の考え方を示してまいりたいと考えております。  また、委員御指摘のように、市町村合併を初め、地方分権につきまして市町村や住民の皆さんに自主的、主体的な論議をいただくためには、適切な情報提供を行うことが重要でありますので、来週火曜日に当たります11月21日の「市町村合併をともに考えるリレーシンポジウムin京都」ということで全国的にやっておりますシンポジウムの京都での開催を一緒に行いましたり、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、心のケアについてでありますが、児童虐待やドメスティックバイオレンスなどにつきましては、防止対策とともに、被害に遭われた本人や家族などに対してそれぞれの事情に応じた適切な対応を図ること。とりわけ、心に受けられた大きな傷をいやしていくことについて十分な配慮が必要であると考えております。京都府におきましては、こうした心のケアに対応するため、それぞれのケースに応じられる窓口を設けまして、臨床心理士などの専門家を配置するなどきめ細かな対応をしているところであります。  虐待を受けた児童の心理的ケアや一時的な保護などにつきましては、児童相談所などにおいて、またドメスティック・バイオレンスやセクシュアル・ハラスメントに係る相談や一時的な保護などは、女性総合センターや婦人相談所等において行っているところでございます。  引きこもりなどの心の病については、精神保健福祉総合センターや保健所において、また特に不登校に関しては、教育委員会が設置している総合教育センターの相談窓口や各学校のスクールカウンセラーにおいて、さらにはストーカー行為等につきましては、警察においてレディース相談所やレディース 110番が設置されているなど、必要な相談、指導が行われているところでございます。  このように、各機関において専門性を生かした取り組みを行っているところでございますが、今後ともこうした既存の関係機関を十分活用していただくための広報、啓発に一層努めますとともに、北岡委員御指摘の点につきましては、これらの機関相互の有機的なきめ細かな情報交換や連携体制の強化充実などを含めまして、必要な研究をさらに進めてまいりたいと考えております。  その他御要望の項目につきましては、十分拝聴して対応してまいりたいと存じます。 53: ◯大野委員長 北岡委員。 54: ◯北岡委員 ありがとうございました。荒巻知事におかれましては、先ほど御答弁の中にもありましたが、21世紀にふさわしい京都づくりということで、引き続きの御尽力を賜りますようにお願い申し上げますとともに、我が会派といたしましても、先憂後楽の精神をもってよりよい府政の推進のために邁進してまいりますことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
    55: ◯大野委員長 次に、坂根委員に発言を許可いたします。坂根委員。 56: ◯坂根委員 公明党の坂根康史でございます。  私は、公明・府民会議府会議員団を代表いたしまして、平成11年度決算及び府政の諸課題について、会派を代表し、さきに通告しております数点について荒巻知事に質問いたします。  21世紀まであと残すところ45日となりました。御承知のとおり、我が国においてはバブル景気という経済崩壊後の影響が長引く中、国においては景気回復のため9兆円を超える減税や公共工事など積極的予算を編成し、その後も企業の業務縮小によるリストラなどにより、緊急地域雇用対策、少子化対策としての第1次補正予算が組まれたのであります。しかし、民需の回復力が追従しないことから、「経済新生対策」に基づく第2次補正予算が組まれ、明るさも少し見えてきております。  本府においても、平成11年度におきましては府税収入の減少などよる財政状況が厳しい中、各種基金の取り崩し、特別会計剰余金の一般会計への繰り入れ、府有地の一部売却などよる財源確保を図る一方、人員削減による人件費の縮減や徹底した経費削減をするなど、強いリーダーシップを発揮され、対応されてきました荒巻知事の行財政手腕並びに平成11年度決算に対し、高く評価するものでございます。  まず、平成11年度一般会計の決算は、実質収支では1億 1,800万円の黒字で、辛うじて23年間黒字を確保されたものの、単年度収支では 7,400万円で、平成3年度以降9年連続の赤字となっております。また、府債年度末残高は 9,963億 4,000万円で、一般会計の決算規模を超え、府民1人当たり38万 9,000円の借金となっております。まさに京都府財政の厳しさを示しています。財政運営について府の平成11年度から平成15年までの5年間の「中期財政見直し」のとおり、府税収入は昭和25年以来最大の減収となっております。これに加え、義務的経費の増大により極めて深刻な財政状況のもとで、厳しい財政運営をされたことがうかがえるのであります。  このような極めて厳しい財政状況を克服するためには、引き続き積極的な行財政改革の取り組みが喫緊の重要課題であることは申すまでもありません。そこで、昨年11月に示された財政健全化指針を踏まえ、次の諸点について知事の御所見をお伺いいたします。  1点目は、厳しい財政状況の中でありますが、府民の生活に著しく影響を与える福祉は後退させてはならないとの視点から、知事の御所見をまずお伺いいたします。  2点目は、「財政健全化指針」に基づき、行財政改革の初年度として、一切聖域を設けないとのことから、既存施策全般にわたる点検とともに、見直しをするなど歳出の抑制が図られたところでありますが、この歳出抑制が的確に実行できたのか、また課題がどのように残されたのか、お聞かせください。  3点目は、景気動向に直接左右される、本府の税源基盤の安定しない自主財源の確保を、私は外形標準課税、グリーン税、産業廃棄物埋立税などの導入により、税源の安定を図ることも考えられるのでありますが、本府の歳入構造を安定した財源基盤にするためのお考えがあるのか、お尋ねいたします。  次に、介護保険についてお尋ねいたします。  御承知のとおり、日本は今、超高齢化社会を迎え、65歳以上の高齢人口は、総務庁の人口推計によりますと 2,190万人で、総人口に占める高齢化率は17.3%で、本府における高齢化率も平成12年3月末現在で17.2%となっております。今年4月から実施された介護保険も7カ月が経過しました。この間さまざまな問題が出てきております。  まず1点目は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設の不足についてであります。厚生省は、この制度では在宅介護に重点を置いているのですが、在宅介護をされている多くの方は、施設入所を希望されております。要介護認定を受けた人が施設入所を希望しても、施設は現在満杯状態で、待機を余儀なくされているのが現状であります。まず現在の待機者が何人おられるのか、お尋ねいたします。  また、制度が実施された時点で既に施設に入所している方が、自立・要支援と認定されても、特例措置により入所が継続できることになったことで、それまでの保健福祉計画による施設整備計画に誤差が生じ、待機者がふえているのかと考えておりますが、待機者の解消についてお尋ねいたします。  2点目は、4兆円とも8兆円とも言われたこの介護市場に新規参入事業者が多く進出いたしましたが、制度発足間もないこともあり、顧客の確保がままならないことから、府内において56の事業所が廃止される一方で、4月以降新たな参入もあるとのことでありますが、制度実施後の社会福祉法人、民間事業者が営利優先に走り、介護サービスの低下があるのではないかと懸念するものでありますが、事業者による介護サービスが基準どおり適正に実施されているのか、この実態をどのようにチェックし、把握されているのか、お聞かせください。  さらに、質の高いサービスを提供するためのオンブズマンなどによる評価制度が早急に必要と考えますが、お考えをお聞かせください。  最後に、IT社会についてお尋ねいたします。  我が公明党は昨年、連立政権に参加してから1年余りが経過いたしました。この間、景気を回復させることを最大の課題と位置づけ、積極的に取り組んでまいりました。去る10日、政府は4兆 8,000億円の経済対策を具体化する2000年度補正予算案を閣議決定し、国会に提出され、この中で我が党の政策が随所に反映されたのであります。  その中の1つに、急速に進展する情報技術、いわゆるIT社会推進の施策の早期整備を強く求めてまいりました。これはデジタルデバイド、いわゆる情報の格差を解消し、すべての国民にIT革命の果実を享受できるようにとの施策であります。この事業は、高速大容量の通信回線で全国の駅、役所、公民館などにパソコンを導入し、公衆インターネット拠点を設置して、だれでも、いつでもパソコンを操作してインターネットを活用できるようにするものであります。  景気の下支えと構造改革の両立を目指す情報技術による政府の経済対策について、知事の御所見をお尋ねいたします。  1点目は、今後のIT化は「IT革命」と言われるように、「産業革命」にも匹敵するものでありますが、府内の繊維業界、伝統産業の電子取引による国内外に向けての販路の拡大、さらに中小企業者が受注生産方式を導入することにより、むだな在庫解消などによる経費削減が図られることなどが考えられるのであります。本府の産業界の活性化にどのように貢献するとお考えか、お聞かせください。  2点目は、インターネットを活用した電子府庁であります。住民サービスにおいて各種の許認可申請手続や府営住宅の申し込みなど行政手続の簡素化が考えられ、庁内では電子掲示板の活用などによるペーパーレス化が図られております。事務の簡素化による事務経費の削減が一層進展するものと考えますが、お考えをお聞かせください。  3点目は、これからの障害者に対する福祉政策についてであります。これまで障害を持つ人は専ら福祉施策の対象で、働くチャンスも少なく、保護の必要な人たちと位置づけられていましたが、社会参加が困難であった障害者がコンピューター技術を習得することにより、社会参加による自立の道が開かれることになります。国の施策に先駆け、庁内における職場の提供とともに、民間企業への雇用拡大を図り、障害者の方たちが働けるようになる環境を整えておかなければならないと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。  以上です。 57: ◯大野委員長 荒巻知事。 58: ◯荒巻知事 坂根委員の御質問にお答え申し上げます。  坂根委員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、平成11年度の府の決算につきまして高い評価をいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  まず財政健全化指針に基づく取り組みについてでありますが、昨年度以来、職員定数の削減や給与の昇給ストップを初めとする内部努力を徹底した上で、既存施策全般にわたる点検、見直しに取り組むなど、歳出の抑制に全力を挙げているところでございます。府議会におかれましても議員報酬をカットされるなど、御支援を賜っておりますことに対しまして、改めてお礼を申し上げたいと存じます。こうした取り組みの結果、健全化指針に掲げる目標に照らし、臨時・緊急的な財源確保措置も含めたものではありますけれども、おおむね60%程度、約 400億の達成状況にあるものと考えております。しかしながら、指針の目標達成に向けましてはいまだ数多くの課題が残されておりまして、広域的な統廃合も含めた地方機関の見直し、医科大学附属病院・府立病院の経営改善、外郭団体の見直しといったさらなる内部改革に取り組みますとともに、社会的に弱い立場にある方々への配慮など、福祉の面にも十分留意しながら、時代の流れに即した施策体系の見直しに一層努めてまいりたいと考えております。  また、景気の動向に左右されにくい安定した財源基盤を確立するためには、都道府県税制の仕組みそのものを改めることが不可欠であることから、現在、地方税財政制度の抜本的な見直しを国に対して強力に働きかけているところでございます。特に法人税の外形標準課税につきましては、中小法人の負担などに配慮しつつ、全国一律の制度としてできる限り早期に導入する必要があると考えておりまして、国に対して強く要請をするとともに、府民の皆様や企業、経済団体などの方々に対しましても御理解、御協力が得られるよう努めているところでございます。  法人税の外形標準課税につきましては、もう御説明を何度もいたしておりますけれども、この税が景気の好不況によりまして大変大きく上がったり下がったする、こういうことでございまして、収入構造でそのように大きく年によって上がったり下がったりいたしますと、府県の歳出構造は、まず学校の先生や警察官、職員、そういうふうな人件費として、ある程度景気がいいから伸ばす、景気が悪いから切るというふうに簡単にいかないような問題、また福祉や保健などといった景気の好不況によって乱高下させてはいけない、そういう歳出構造になっておりますので、安定した歳入構造にしていただきたいというのが本意でございまして、これができましたらすべての地方財政の赤字が消えるとか、税財源問題、分権の問題が全部解決すると、そういうふうなものではないことは御承知いただきたいと思います。これは安定のための分、それから応益的な考えを入れるための分でございまして、それで特に増収を図ろうというようなことではございません。やはり問題は、国と地方との権限の分配に合ったそういう税財政の配分制度、これを抜本的に変えていただかなければ、本来の地方分権の責任が果たせない、このことは強く今後とも努力をしていきたいというふうに思っておるわけでございます。  介護保険制度についてでありますが、京都府といたしましては、各市町村において実施された、待機者を含む高齢者の実態やニーズなどの調査結果を踏まえまして、この3月末に特別養護老人ホームの経過措置者を含めまして、介護保険施設の利用見込み者数を定めたところでございます。  介護保険制度の実施後の利用希望者の状況につきましては、複数の施設に入所希望を出されている方なども相当数あるとお聞きをいたしておりますことから、真に入所が必要な方の人数を正確に把握していくことはなかなか難しいと考えておりますが、今後とも京都府といたしましては、介護保険事業支援計画に基づき、市町村と連携を密にして、ショートステイベッドの特別養護老人ホームへの転換も含めまして、積極的に施設整備を進めますとともに、計画の3年ごとの見直しの際には必要な実態把握も行って、適切に対応してまいりたいと存じております。  介護サービス事業者の指導につきましては、これまでから、事業者の連絡会議等を開催して、利用者からの苦情なども踏まえ、サービス提供上の注意事項などについて徹底を図ってきたところでありまして、今月下旬からは直接事業者に出向きまして府独自に作成した自主点検表も活用しながら指導を行うことといたしております。  介護サービスの質の確保など、お尋ねのオンブズマン制度につきましては、今年度から京都市などで実施されております、特別養護老人ホームなどを介護相談員が訪問して、利用者などからの相談に直接応じる事業が効果的でありますので、多くの市町村で取り組まれていくように働きかけてまいりたいと考えております。  介護サービスの評価につきましても、本年度中に国におきまして訪問看護などのサービスの評価項目や評価基準を取りまとめられると伺っておりますので、その動向を注視して、適切に対応してまいりたいと考えております。  ITによる産業活性化についてでありますが、伝統産業、商店街、観光産業など、あらゆる分野においてIT革命への対応は避けて通れない課題であると同時に、新たなビジネスチャンスをもたらすと考えておりまして、両面があると考えております。こうした中で、京都府におきましては、例えば伝統工芸業界が行いますインターネットを活用した工芸品の販売、商店街に光ファイバーを敷設して、お客さんに対する情報提供を行う事業、携帯電話を活用した観光情報の提供事業、さらに下請中小企業の協同組合によるインターネットを活用した資材の共同購入や受注開拓の取り組みなど、さまざまな分野でのITを活用した創造的な取り組みに対しまして、積極的な支援を行っているところでございます。今後こうした取り組みがさらに重要になると考えまして、京都府といたしまして、一層の支援に努めてまいりたいと存じます。  次に、行政へのインターネットの活用方策についてでありますが、インターネットを利用して、自宅・事務所にいながらにして各種行政手続が行えるノンストップサービスが実現すれば、大幅に府民の利便性が向上いたしますとともにペーパーレス化が進み、資源の節約や事務経費も減少するものと考えております。ただ、こうしたサービスを実現するためには、セキュリティーの確保、情報弱者対策等のさまざまな課題を克服する必要がございます。国においては平成15年の電子政府実現が目標とされておりまして、本府におきましても、電子府庁実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、障害者の雇用促進についてでありますが、京都府みずからも、これまでから事務機器の活用なども工夫をしながら障害者の雇用拡大に努めてきたところであります。また、城陽障害者高等技術専門校においてOA訓練を実施する一方、府独自の制度として新たに設置した障害者雇用アドバイザーを積極的に活用して、企業などにおける障害者用OA機器の普及や就業環境の整備に対する相談、助言などの取り組みをきめ細かく実施しているところでございます。今後とも、障害者の方々の能力が一層発揮されるよう、職域の拡大など、雇用の促進に努めてまいりたいと存じております。 59: ◯大野委員長 坂根委員。 60: ◯坂根委員 ありがとうございます。  まず京都府の財政についてでございますけれども、先ほども申し上げましたように、本府の税源の基盤が脆弱であるというのが一つの大きな京都府の特徴でもございます。そのためにも安定した税源の確保というのが本当に不可欠でございますので、先ほども申し上げましたが、一つの例でございまして、そのようなことも考えられるということでございます。しっかりした安定した税の確保に今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。  2点目の介護保険についてでございますけれども、先ほど、特養老人ホームとか介護保険施設の複数の希望があって正確な数を把握するのが難しいという御答弁でございました。私は今、要介護認定を受けられた方で施設入所を希望されれば施設に入れるというような状況をつくることが一番大切だと思います。数のことじゃありませんので、そういう状況を一日も早くつくっていただきたいと思っております。  また、事業者に対してのサービスの質の低下を伴わないように自主点検の指導もされているということでございますけれども、第三者によるそういう事業者のサービスに対する評価というのも大切であろうと思いますので、その点もよろしくお願い申し上げます。  IT社会についてでございますけれども、京都府の伝統工芸のそういう販売とか、商店のインターネットを通じた販路拡大、また観光産業に貢献するということでございます。また、インターネットというのは、いろんな方面で、今使っている以上にいろんな使い道があると思いますので、どうか知恵を出してもらいまして、私もまたいろいろと使い道がどこにあるのかというのを勉強しながら提言してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  介護保険もIT社会も今本当に始まったばかりでございますので、いろんな問題点も多く出てまいると思います。一つ一つの問題点を解消しながら、本当に介護保険の制度につきましても、このIT社会につきましても、よりよい21世紀を迎えるために頑張ってもらいたいと思いますので、要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。 61: ◯大野委員長 次に、稲荷副委員長に発言を許可いたします。稲荷副委員長。 62: ◯稲荷副委員長 新政会の稲荷義晴でございます。  私は会派を代表いたしまして、平成11年度決算の評価、並びに、さきに通告いたしております項目につきまして、知事にお尋ねいたします。総括質疑最後の質問になるわけでございます、明確な御答弁をよろしくお願い申し上げます。  いよいよ激動の世紀もあと45日となりました。まさに秒読み段階に入りましたが、本府におきましても、依然として厳しい景気の影響で、府税収入は昭和26年以来の落ち込みとなりました。実質収支は約1億 1,800万円の、77年度以来23年連続の黒字決算となりました。荒巻知事におかれましては、人件費を初めとする義務的経費の抑制はもとより、投資的経費の重点化、さらには各種繰出金の圧縮など、考えられるあらゆる節減に努められ、不況のあらしの中を京都府丸のすぐれたかじ取り役としてその手腕を遺憾なく発揮されましたことは高く評価をするところであります。しかしながら、財政調整基金など取り崩し可能な基金も底をつき、府税収入についても来年度も大きな回復は期待できないことが予測されると同時に、府債残高が1兆円を超えるといったまさに厳しい財政事情が厳然たる事実となり、今後もさらなる御英断と卓越した実行力を発揮していただいて、財政再建のために一層の御尽力を賜りますようお願い申し上げ、決算書面審査を踏まえての質問に入ります。  最初に、府税収入についてお伺いいたします。  府税収入につきましては、長引く景気の低迷により、税収の大宗を占める法人2税を中心に大幅な落ち込みが続く中で、本府の財政状況も危機的な状況となっているところでありますが、全国的には緩やかな景気の回復傾向が見られ、企業収益も改善の兆しが見られると言われながらも、その一方で本府の経済情勢は、2信用金庫の再編や和装関連企業を中心に企業倒産が相次ぐなど、まだまだ厳しい状況が続くものと考えられますが、本府の今後の税収見通しについて、知事の御所見をお伺いします。  次に、税収の確保という観点から御質問したいと存じます。  昨年度策定されました「財政健全化指針」におきましても、府税の確保等を目標の一つに掲げ、本庁に特別滞納整理班を設置されるなど、積極的な取り組みを評価するものでありますが、具体的にどのような取り組みを進めてこられたのかお伺いをいたします。  あわせて、個人府民税の徴収については、市町村が賦課徴収に当たっていることから、徴収率の向上を図るにはなかなか困難な面もあろうかと存じますが、大阪府においては、府の職員を市町村に派遣をして、市町村と協力をしながら徴収確保に当たられているとお聞きをいたしておりますが、本府においては個人府民税の徴収確保に向けて今後どのように取り組みをされるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、企業立地対策についてお伺いをいたします。  先ほども申しましたとおり、府税収入の減収が続く中、府内の産業基盤を強化し、税源の涵養を進めるという観点からも、企業誘致を積極的に進めることは喫緊の課題であります。一方、立地企業にとりましても、景気動向が不透明な中、立地先の選定に当たっては、商品の輸送効率など地理的な観点からだけでなく、税制上の減免措置など行政の支援状況もまた大きな要素になっているようであります。  こうした中、他府県におきましては、税制上の減免措置や助成金の交付など企業誘致に当たっての具体的な優遇制度を創設して、懸命な取り組みを進められているとお聞きをいたしておりますが、企業誘致に当たっての本府におけるこれまでの成果はどうなのか、また、企業立地に当たっての優遇施策について、税制上の優遇策も含めて、今後どのように取り組もうとお考えになられておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、中北部地域における企業誘致についてお伺いをします。  南部地域におきましては一定の企業集積も見られ、さらに今後「ITバザール構想」の具体化が進むにつれ、企業立地の促進にも期待が持てるものと考えております。しかしながら、中北部地域、とりわけ三和町で造成が進められている「北部中核工業団地」については、先日「エコートピア京都三和」という愛称も決定され、いよいよ来年度から分譲が開始されるとお聞きをしているところでありますが、全国的に企業立地がなかなか進みにくい状況の中で、いかにして企業の立地を進めていくのかが大きな課題であると存じます。  本府が現在進めている工業団地の中で、「京都新光悦村」については伝統産業と近代産業の融合、丹後地域の産業拠点づくりでは「エコ・クリエイティブパーク」として「環境」をキーワードとしたコンセプトでその整備が進められ、企業の間でも大きな注目を浴びているところでありますが、「北部中核工業団地」、すなわち「エコートピア京都三和」についても、こうしたコンセプトを確立して分譲を進めていくことが重要であると考えます。そこで、「エコートピア京都三和」における企業誘致対策について、今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いします。  次に、地方分権の推進についてお尋ねをいたします。  分権型社会の構築はまさに時代の要請、また趨勢でもあり、この流れにブレーキをかけることは決して許されないと私は確信をしているのであります。国の画一的な基準などを排除した地方分権整備法が施行されたことで、多くの自治体におきましてはその理念に期待を寄せながら、住民主体の地方自治の到来を大いに心待ちにしていたところであります。しかしながら、実質的には部分的な権限委譲にとどまり、基本的な権限に類する部分につきましては依然手つかずの状況にあります。また税源移譲がされないまま多くの自治体では業務量ばかりがふえ続ける状況を生み出し、何のための地方分権なのかという議論さえ一部で出始めているのであります。そこで、本府としてこれらの改善方策とあわせて府下市町村に対する財源措置についての御所見をお聞かせください。  次に、府内産材の振興についてお尋ねをいたします。  本府は、総面積の75%が森林で、12万ヘクタールの人工林が農山村の人々の手によって育成されてきたところであります。人工林の大半は戦後植林されたもので、近年、成熟期を迎えつつありますが、今後、これら人工林から生産される府内産木材が大いに利用されることを期待するものであります。しかし、昨日の新聞記事によりますと、府内産木材の流通量は1970年の3分の1にまで落ち込んでおり、本府としても、木材のよさのPRや、さらには低金利の融資など、府内産木材の利用施策を進めてこられましたが、依然厳しい状況が続いているとのことでありました。  このような状況の中で、本府におかれましては、新たな林業、あるいは製材業と建築士らとの交流を進める「京の木材利用促進ネットワーク」事業に乗り出されたところであり、その成果に大いに期待がされているところであります。また、人工林を健全に育成し、優良な木材をつくるためには、枝打ちや間伐などの保育管理が重要であり、本府におきましても、本年から始まった「緊急間伐5カ年対策」により、今後5年間で従来の1.5倍に当たる1万7,500ヘクタールの間伐が進められることとなっておりますが、この事業によって出材される間伐材の利用も、一般の木材同様、大変重要と考えるものであります。  そこで、次の点について、知事の御所見をお伺いします。  1点目は、府内産木材の住宅等への利用促進について、どのように進めようとされているのか。  また2つ目は、どのような体制で緊急間伐5カ年対策を推進され、また、間伐材の利用拡大はどのように進めようとされているのかお聞かせください。  最後に、私の地元亀岡市の緊急的課題についてお尋ねをいたします。  先般の9月定例会の代表質問でも申し上げましたが、今、亀岡市におきましては老朽化したJR亀岡駅の駅舎改築並びに駅周辺整備に向けての機運が行政・市民挙げて、まちづくり運動の一環として大きな高まりを見せています。そして本府におかれましても、亀岡市民の悲願でもある夢実現に向けて積極的な御支援をいただいていることに改めて感謝をするところであります。  21世紀は情報化の時代と言われますが、鉄路によって全国に結ばれている鉄道網は、まさに人の移動のネットワークでもあります。そして、これらの交通ネットワークによりまして、これからの鉄道駅の役割は従来どおりの乗客の単なる乗降、あるいは乗り継ぎのためのターミナル機能だけではなくて、新たな付加価値を創造していくことが最も肝要だと考えるのであります。  すなわち、10万都市になろうとしている亀岡市の玄関でもあるJR亀岡駅舎の改築は、地域行政サービス機能やさらには地域文化の発信機能を付加した総合的、複合的な新しい行政施設整備も視野に入れた21世紀型の駅舎づくりの観点に立っての整備を図ることが極めて重要だと思料するものであります。この実現に向けては、多くの法整備や国庫財源の位置づけ、あるいは制度の変更を伴うところでありますが、新世紀に向けての鉄道駅のあるべき姿について知事の御所見をお伺いいたします。  さらに、八木・園部方面から京都市内へ向かう通勤・通学者が急増し、JR山陰線の朝夕の混雑は年々激しくなっています。混雑解消のためには、京都-園部間の完全複線化によるダイヤ短縮と列車の増発が不可欠であります。  本府におかれましては、かねてより完全複線化に向けてお取り組みをいただき、とりわけ、二条-花園間の複線化とダイヤ改正がなされまして以来、山陰本線の輸送力や利便性は一層高まっているところでありますが、複線化に向けた今後なお一層のお取り組みと格段の御配慮を賜りますよう強く要望いたしまして、私の最初の質問を終わらせていただきます。 63: ◯大野委員長 荒巻知事。 64: ◯荒巻知事 稲荷副委員長の御質問にお答え申し上げます。  稲荷副委員長におかれましては、ただいま会派を代表されまして、平成11年度の決算に対しまして適切な分析や高い評価を賜りまして、まことにありがとうございました。  まず、今後の府税収入の見通しについてでありますが、10月末の調定実績(現滞計)でございますが、調定実績は、高金利時代に預け入れられた定額貯金の集中的な満期に伴う府民税利子割の臨時的増収などによりまして、下落率が全国最大であった昨年同期と比較いたしまして 6.4%の伸びとなっております。今後につきましては、府民税利子割の増収要素に加え、法人2税についても3月決算法人の中間申告(11月末申告期限)の状況を見定める必要があるものの、全国最大の下落率となった昨年度の反動などもあり、全体としては当初予算の2,750億円は確保できるものと考えております。  次に、税収確保の取り組みにつきましては、年度当初に税収確保対策推進会議を開催いたしまして、その方針のもとに滞納整理強化月間を設定し、府内一斉の夜間折衝などの取り組みを実施してきたところであります。また、バブル期に多く発生しました大口困難事案につきましては、本年4月に本庁に特別滞納整理班を設置いたしまして、徹底的な調査をもとに徴収の確保に努めております。さらに、本年7月には全国的に問題となっております輸入軽油の不正滞納事案につきましても、関係する府税事務所などとも連携をして、約1億円の税収を確保したところであります。  次に、個人府民税の徴収確保についてでありますが、先ほどお話しのように、京都府といたしましては、徴収を行っている市町村に対して約37億円の徴収取扱費を交付しておりますけれども、その徴収取扱費の交付とともに、市町村の徴収体制を強化するために、府が開催する研修会などへの参加や差し押さえ物件の合同公売などを実施しているところでございまして、引き続き連携を強化する中で、徴収確保にまず努めてまいりたいと存じております。  企業立地対策についてでありますが、これまで府内の均衡ある発展を図るために、昭和57年から、市町村と連携しながら、京都府中北部地域への企業誘致に積極的に取り組んでまいったところ、厳しい環境のもとにありましても、綾部工業団地において企業集積が進むなど、昨年までに 113社が立地したところでございます。これらの企業では、現在合計6,000人以上の方が働いておりまして、このうち地元採用者は約80%にも上っております。また、製造品出荷額につきましては 2,203億円に達して、中北部地域全体の出荷額の約25%を占めるに至っております。  このように、企業誘致活動は地域における雇用や経済活性化に大きな効果を上げているものと考えておりまして、副委員長御指摘のとおり、他府県におきましても企業誘致に懸命に努力をしておられまして、京都府におきましても、府内に立地する主要な企業との懇談会やヒアリングなどを通じてよく御意見を伺いながら、時代に合った効果的な企業誘致制度のあり方について鋭意研究、検討してまいりたいと考えておりまして、今後とも府内への企業誘致につきましてはさまざまな工夫や政策を考えて、全力で取り組んでまいりたいと存じております。  実は昨日、関西文化学術研究都市で開催されました在関西の各国総領事を招いた視察会に私も参加いたしまして、京都の魅力をトップセールスとしてアピールしてまいったところでございます。またその後、京田辺市に企業誘致で立地いたしました世界的なチェーンメーカーの建設現場、間もなく来年には完成をいたしますので、その建設現場を視察してまいりました。最新鋭の設備が導入され、また多くの雇用が計画されている等のお話をお聞きいたしまして、企業誘致が地域の経済や雇用に大きな効果をもたらすことを改めて実感してきた次第であります。引き続きまして、中北部地域を含め、企業誘致に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  京都北部中核工業団地についてでありますが、この工業団地は「豊かな自然との共生」というコンセプトのもとで、府北部地域の振興と活性化を図るため整備を進めているところでございます。このたび、地球環境時代にふさわしい緑に包まれた工業団地という特徴をイメージしていただけるように、委員から御紹介のとおり、愛称公募によりまして、結果的に「エコートピア京都三和」という名称をつけることといたしました。エコートピアとつけましたのは、エコロジーの「エコ」と工業の「コウ」、それから理想郷の「ユートピア」を合わせたものでございまして、そしてまた「エコー」という言葉には「こだま」の意味もございますので、京都の文化・芸術と三和の自然、さわやかさがお互いに響き合い、さらには京都府北部の長田野工業団地、綾部工業団地とこの三和団地が響き合って、連携をとり合って、京都府北部の産業振興に寄与することを願うという思いを込めております。  現在、多くの企業が先行きの不透明感から新たな用地取得を伴う設備投資を手控えるという厳しい状況が続いておりますけれども、エコートピア京都三和の名前に込められました地域振興の思いを現実のものとするために、よい企業が多く立地してもらえるように、共同事業者であります地域振興整備公団、また地元三和町とも連携をいたしまして、積極的な企業誘致に努めてまいりたいと存じております。  地方分権の推進についてでありますが、本年4月にいわゆる地方分権一括法が施行されまして、地方分権がいよいよ実行の段階に入ってきたわけであります。しかしながら、地方歳出と地方税収入の乖離は依然大きなものがございまして、今後真の地方分権型社会を確立するためには、御指摘のように、その裏づけとなる地方への税財源の移譲や国と地方を通じる事務配分のさらなる見直しが不可欠であると考えております。こうした認識のもとに、これまでから国に対して税財源移譲などを強く求めているところでございますが、今後さらに、京都府はもちろん、全国知事会など、地方6団体を通じましてさらに要請活動を強めてまいりたいと考えております。  なお、京都府から市町村への独自に行いました委譲事務につきましては、市町村事務処理特例交付金として所要の財源措置を行っているところでございます。また、市町村へ法律などにより委譲された事務につきましては、地方交付税などによる財源措置が講じられることとなっておりますけれども、今後とも地方自治体の事務量にふさわしい税財源が確保されるよう、市町村とも連携をいたしまして、地方分権の推進に努めてまいりたいと存じております。  府内産木材の利用促進についてでありますが、木材の需要拡大は森林所有者の所得確保と森林資源の循環利用を図る上から極めて重要な課題であると考えております。このため京都府におきましては、府内産材利用推進庁内連絡会を通じまして、公共施設等での利用促進を図るなど、需要拡大に努めてきているところであります。本年度から取り組みます「京の木材利用促進ネットワーク事業」におきましては、木材生産者と建築主や工務店、設計士などとの情報ネットワークを整備いたしまして、健康にも優しい天然素材である木材のよさをPRいたしますとともに、この新たな情報チャンネルを通じて、府内産木材の需要開拓を図ってまいりたいと考えております。  緊急間伐対策の推進につきましては、市町村の森林整備計画や京都府間伐推進計画に基づきまして、従来から実施しております補助事業や府営の公共事業による森林整備の中で重点的に間伐に取り組むほか、公社・公団事業とも連携いたしまして、計画的に実施してまいりたいと考えております。  また、間伐材の利用につきましては、森林組合連合会が綾部市で建設しておられます小径木加工施設で生産する丸棒の土木用資材を中心とした利用促進を初め、森林組合等において加工される建設資材の活用につきましても、関係業界との取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。  地元問題としての駅整備についてでありますが、これまでから、鉄道整備にあわせ、府民の利便性向上、地域の振興を図る観点から、市町村が行われます駅舎整備に対しまして積極的に支援を行ってきたところであります。21世紀を迎え、人や環境に優しい公共交通機関の重要性が今後ますます高まるものと考えておりまして、そのような中で、多くの人・物が交流する駅は、交通結節点としての機能に加えまして、高齢者や障害者に優しいバリアフリー化とともに、文化、経済、教育、学術等の交流・発信の場として、地域住民のニーズに応じた多様な機能を持つことが期待されていると考えております。  亀岡市におかれましては、地元各界各層の方々による市民組織「マイタウンかめおか・街づくり市民の会」と連携されまして、駅を中心としたまちづくりの種々の検討が進められていると聞いておりまして、京都府といたしましても、地元亀岡市から十分お話を伺う中で、必要な支援を検討してまいりたいと考えております。 65: ◯大野委員長 稲荷副委員長。 66: ◯稲荷副委員長 ありがとうございました。各項目につきましてきめ細かな御答弁、まことにありがとうございます。  今、知事の方からお答えいただきましたように、特にJR亀岡駅舎の改築は、亀岡市民のまさに悲願でもございます。引き続いての力強い御支援を賜りますように重ねてお願いを申し上げておきます。  そしてまた、先ほどからございますように、長引く経済不況下で、本府の財政状況はなお一層厳しさを増すことは必至の状況だろうというふうに私は認識をいたしております。そういう意味では、今まで以上に財政の健全化に向けた強力な取り組みが希求されるというふうにも思うところでございます。私は、荒巻知事の今日までの豊富な行政経験を遺憾なく発揮願いまして、輝く21世紀の京都府の構築に向けて大いに期待をいたしているところでもございます。どうか 260万府民の暮らしを守ることを第一義に、喫緊の行政課題でもあります行財政体制の確立を強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。        ───────────────────────── 67: ◯大野委員長 これをもって総括質疑を終了いたします。  なお、今後の委員会運営につきましては、副委員長並びに幹事各位の御協力を得て委員長報告案を取りまとめた上で、12月定例会中に委員会を開会し、付託議案5件について討論、採決を行いたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。  本日はこれをもって閉会いたします。
       午後4時39分 閉会 発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...